大江千里だから書けるジャズアルバム、1998年から渡米までと現在を語る

ビルボード / 大江千里

田家:2000年8月に発売になったシングル『ビルボード』。アルバムは2000年9月の『Solitude』。ご自分のレーベル「Station Kids Records」からの発売ですね。

大江:40歳です。いろいろ覚えてますね。東京グローブ座のクリスマスコンサートを開始して、もう1回仕切り直しというか。ちょっと前に奥田美和子さんの「しずく」っていうデビュー曲を一緒にやった担当の戸倉さんって方と組んで、セピアだったりモノクロだったりする自分の色をしっかりと見つけて絵を描いていく気持ちで作ったと思いますね。あの頃の引き出しを開けて、生き残るためにもう1回まだ使ってない言葉を磨いて無我夢中に曲を書いて歌っていましたね。

田家:このアルバムに収められてるシングルの曲の中で一番情報量が多いでしょう?

大江:そうなんですよね(笑)。400字詰めのマス目を無視して1200字ぐらいあって。

田家:それだけやっぱり使いたい言葉がたくさんあったと。

大江:戸倉さんって人が淡々としてて情熱家で優しい。もう1回僕自身を探してくれみたいな気持ちで彼は寝ないで作ってましたね。

田家:谷村さんはどういうアドバイスをしてくれたんですか。

大江:ディストリビューションはどことか、お店はどことか、そういう話とか。今までいろんな人がやってくれていたことを全部自分たちでやるって大変は大変な時期でしたよね。

田家:アルバムのタイトルは『Solitude』、孤独という意味です。

大江:でも『Solitude』ってつけているってことは、守られているんですよね。周りに仲間がいるからこそ、自分の中にむき出しを皿の上に乗っけるっていう。そのとき僕は走り出してるわけですよね。次に向けて。

Rolling Stone Japan 編集部

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