コード・オレンジが語る、2018年の秘蔵インタビュー「ポジティブな感情を歌にすることで、ヘヴィさが増した」

地元・ピッツバーグ

ピッツバーグ出身で初めてグラミー賞にノミネートされたロックバンドは、高校時代の些細なことで口論になるのだが、始まりは大抵、口論を引き起こすバンド・バトルの一件。モーガンは「生徒は勝負するために誰かに投票しなくちゃいけなかった。あの年は俺たちに投票するやつが一人もいなかったけど、そういう連中も今じゃ問題ない。俺らの町はずっとサポートしてくれているんだ」と言う。

彼らはピッツバーグを離れる気はないし、自分たちで築き上げた居場所を捨てる気なんてさらさらない。結局、このバンドは何年も自分たちだけですべてを実行してきた。中には小学校から一緒に過ごしているメンバーもいる。子供の頃の成績表や通知表に書かれた行儀の悪さで競い合い、バルデローズが休憩時間を取り上げられたことを今でもはっきりと覚えている。「学校のやつらは俺が好戦的なやつだと言っていた。俺はフェンスに泥を投げただけなのにさ」と、茶色の長髪に隠れた顔でクスクス笑いながらバルドローズが言う。ちなみに、彼の茶髪はグラミー授賞式当日はショッキングなエイリアンブルーに染められていた。

バルデローズはショックな出来事から立ち直りつつある。先週、タンパで、パスポートとコンピュータ、バックアップ・ファイル入りのハードドライブまで含む、いくつかの電子機器を詰めたバルデローズのバックパックが忽然と消えた。FYAフェストへの出演を終えた直後のことだった。これは、つまり2ndアルバム『I Am King』以降のオリジナル素材がすべて消えたということであり、西海岸ツアーが始まるまでの1週間で、バルデローズはすべての素材を作り直さなくてはいけないということだ。

バルデローズは次のように言う。「俺にとって、あれはレコードを作り直している作業とほぼ同じだった。『Forever』用の補助サウンドを新品のコンピュータのメモリに再構築して、リミックスするわけで、それにはボイス・サンプルもあるし、ドラム・サウンドもあるし、それ以外のさまざまなサウンドがある。この経験で精神が崩壊する直前まで行ったけど、今の俺のセットアップとワークフローは前よりも良くなっているよ」

バルデローズがその工程を説明し始めたとき、モーガンが割って入ってきて、それとは無関係のバンド・ビジネスに関する話、つまりモーガンがバルデローズの助けを借りてデザインしたバンドグッズの色について話し始めた。「どのレコードにも特有の色がある。今のグッズの色はライムグリーンなんだけど、本当ならハンター(hunter)じゃなきゃダメなんだ」とモーガンが説明する。そして、ロードランナーを退職したアート・ディレクター、リンダ・カスネッツからもらったパントンスワッチ(色見本)を取り出した。扇子を開くようにこれを開いた彼は自分がほしい色を指し示す。「この色に名前を付けてほしいよ。でなきゃ、正しい色を指定できないんだよ」とモーガン。

労働組合の主催者の息子であるモーガンは、子供の頃に父親と一緒にプラカードを作り、デモ行進に参加していた。その時の経験がベースとなり、彼は冷酷なスタイルのリーダーシップを発揮しているのだろう。「管理人や保障組合の人たちとよく活動していて、俺はいつでも活動場所に連れて行かれた。ほんと、天気が悪くてもお構いなしで。だから、今では人が悪態をつくと、ある種の感情を抱くようになっているんだ」

Translated by Miki Nakayama

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