コード・オレンジが語る、2018年の秘蔵インタビュー「ポジティブな感情を歌にすることで、ヘヴィさが増した」

「俺は自分が説明できないことを、あたかも偉そうに喋るのは嫌なのさ」

「メンバー全員がビジュアライズによって自己実現できるようになった」と、革製のリクライナーにもたれながらモーガンが話し始める。「自分が行きたい場所、なりたい自分の姿をビジュアライズすると、それが実現する。これが前のアルバム『I Am King』のテーマだった。『Forever』は、その新たな力、そのプロセスの中で自分自身や他者を知ることについてを表現した作品だ。バンドという集合体でその力を手に入れて、レガシーを作るんだよ」





彼らはコード・オレンジ・キッズとして知られており(コード・オレンジとは9.11後のパニックを象徴する、ピッツバーグ・クリエイティヴ&パフォーミング・アーツ・スクール在学中に活動をスタートした。

現在のメンバーは、モーガンがドラム、メイヤーズとドミニク・ランドリーナがギター、ジョー・ゴールドマンがベース、エリック・“シェイド”・バルデローズがシンセ&ギターだ。モーガン曰く、「これがコアメンバーだ。これまでで最強のラインナップだよ」

2000年代後期、ピッツバーグという斜陽化した工業地帯のDIYパンク&ハードコアシーンで他のバンドと交流を深め、地元のアナーコパンクの重鎮アンタイ・フラッグと共演したことすらあった。しかし、彼らのスタイルはコード・オレンジならではのもので、端から地元シーンに馴染むことはなかったのである。笑いながらモーガンが言う。「ロック・アゲインスト・ブッシュ的なものもやってみたけど、俺たちらしくなかった。俺は自分が説明できないことを、あたかも偉そうに喋るのは嫌なのさ」

メンバーのなかには、人気のサイドプロジェクト、アドヴェンチャーズで、束の間エモ系の音楽を取り入れたことがあった。コード・オレンジの音楽性とは格段の差があるアドヴェンチャーズは、ナップサックやヘリウムといった90年代のインディ・ロックをヒントにしていた。「まだギターの弾き方を覚えている最中だったよ」とメイヤーズ。彼女はクラシック音楽を学んだフルート奏者でもある。「アドヴェンチャーズで作った曲は全部違うバンドの曲みたいだったけど、自分たちがやりたいと思っていたバンドとも違っていたんだよね」と説明する。



何年も実験を続けるうちに技術も向上し、彼らはもっと激しいサウンドの深みへとはまっていった。バンドでほとんどの歌詞を作っているモーガンが冷笑気味に言う。「最初の頃のレコードは、めちゃくちゃに落ち込んだ俺の感情とか、そういった感情と向き合う自分の心情を表現しているんだよ。でも、それを音楽で表現しても気分が優れることがなかったし、成長の糧にもならなかった。だから、自分やグループに対するポジティブな感情を歌にすることにしたんだ。そしたら、曲のヘヴィさが増した」(ちなみに、出来上がった歌詞の文法をチェックするのはメイヤーズで、彼女は1行ごとにきっちり添削する)

Translated by Miki Nakayama

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