ヤングスキニーが語る、“嘘だらけで、矛盾だらけな日常を歌う”理由

―前作「東京」とはだいぶ違いますが、そこは意識していましたか。

かやゆー。:「東京」とは真逆の曲なんじゃないかなと思っています。「東京」は、自分の感情が100%曲に出ちゃうぐらいの気持ちで力強く歌っていたので。ただ、「コインランドリー」の方がデモは先に出来ていたので、意識して変えようとしたわけではないです。ちょうど、「東京」をリリースするタイミングで「コインランドリー」も制作が進んでいたんですけど、「東京」は自分の中ですごく良い曲だなと思っていて。これをどう越えて行こうかっていうのはハードルが高かったんですけど、あえて真逆の路線に行くことで、越えられたんじゃないかなって、思っています。

―多くのバンドが「東京」というタイトルで曲を歌っていますが、かやゆー。さんにとっての「東京」ってどんなものですか。

かやゆー。:僕は地元が山梨県で、高校卒業と共に上京して1人暮らしを始めたんです。それまで田舎で遊ぶところがなかったのに、上京して急に色んな遊ぶ場所が増えたりする中で、色々変わってしまった曲です。でも、東京をテーマにした曲を頑張って書こうと思ったわけじゃないんです。いつも、作ろうと思って曲を作るタイプじゃないので、今回もたまたま浮かんだ曲が「東京」や「コインランドリー」だったという感じです。



―東京ご出身のゴンザレスさんは、「東京」をどう受け止めていますか。

ゴンザレス:確かに地方から上京する人にとって、東京のインパクトは強いと思いますし、そういう面ではこの楽曲を聴いて共感してくれる人は多いんじゃないかと思います。僕は共感というよりは、楽曲を客観的に見たり聴いたりして「すごいな」という部分が大きいです。

かやゆー。:たぶん彼は僕の曲で共感する曲が一つもないと思います(笑)。

―どうしてですか(笑)。

ゴンザレス:恋愛経験がほぼないので(笑)。このバンドは恋愛の曲が多いんですよ。だから歌詞にはあんまり共感できないけど、楽曲に対してのアプローチは全面的に協力していこうという気持ちでやってます。

―なるほど。それで言うと〈とりあえず今日は君が出してよ 明日もよろしくね〉と言う歌詞はヒモっぽさがあって共感されるかされないか気になります。

かやゆー。:そうですね(笑)。普通に聴いていると、なんかすごく幸せそうなカップルが夜にコインランドリーでデートしてるみたいな曲なんですけど、僕も曲を作って後々ちゃんと歌詞を読んでみたら、「これただのヒモ男じゃねえかよ」って気が付きました(笑)。自分も元カノのヒモだったこともあるんですよ。ただ、その代わりに「ずっとこれからも一緒にいてね」という意味も込めて、〈明日もよろしくね〉って書きました。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE