米女優の変死、ポルノ業界の「病巣」と薬物依存

ダコタ・スカイことローレン・スコット(Photo by Gabe Ginsberg/FilmMagic)



薬物依存が急激に悪化した理由

だが薬物中毒に陥った彼女は衝動的で、突拍子もなかった。愛犬が病気で手術を受けなくてはならないことをFacebookに延々と投稿したり、元同僚や雇い主にかたっぱしから金をせびることもあった。「普通じゃありえないな話ですよ、彼女はほうぼうから引っ張りだこの女優だったんですから」。ルコント-ゴーブルさんの話では、彼女は突然パリに飛んで見知らぬ相手とセックステープを収録したり、喧嘩中に夫にナイフを向けたりしたそうだ。「僕は悪魔について詳しくありません」と彼は言う。「悪魔に取りつかれた、というような人に会ったこともありません。でも、あの子の中には悪魔が棲んでいました」

ルコント-ゴーブルさんは2015年ごろ、絶頂期だったスカイとパーティで出会った。スカイから妊娠を告げられた後、2人は2016年にラスベガスで式を挙げた(ルコント-ゴーブルさんいわく、スピーグラー氏から契約のオファーを受けた後だったので、仕事を続けるために彼女は中絶を決めた)。ポルノ業界の部外者、いわゆる「民間人」の彼にとって(現在は大麻業界で働いているが、一時期は極右扇動家ミロ・イアノポウロスの広報を務めたこともある)、彼女が風俗業界の人間だという事実をどう受け止めていいかわからなかった。「初めのうちは、それで彼女が女性として力を得ているのだと思いました」と本人。「彼女にやめろと言う権利なんて自分にはないだろう、とも思っていました」 さらにいただけないのが、スカイがザナックスを嗜好していたことだ。「ここはロサンゼルスです。不安症を抱えて、処方されたとおりにザナックスを服用するなら、必ずしも問題じゃありません」と彼は言う。「彼女は初めのころ、実に上手くこのことを隠していました」

ルコント-ゴーブルさんによれば、最優秀女優賞を逃したころから彼女の薬物依存が急激に悪化したそうだ。1度にザナックスを10~15錠も飲む姿を何度となく目にしたという。彼女はメタンフェタミンも吸っていた。「僕はこの業界の人間じゃなかったから、彼女が立ち直る手助けをしたかったんです」と彼は言う。「もしかしたら、彼女の心の支えになってやれるかもしれない、彼女に必要な助けを与えて立ち直らせることができるかもしれない、と思ったんです」。一緒に住み始めてから2年後、スカイがルコント-ゴーブルさんにナイフを突きつけたのがきっかけで夫婦関係は終わりを向かえた。スカイの生前最後の数年間、2016年に別居して以来2人は名目上の夫婦でしかなかった。「僕はむしろ彼女の父親、世話人以外の何者でもありませんでした」と本人は言う。

Translated by Akiko Kato

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