米女優の変死、ポルノ業界の「病巣」と薬物依存

ダコタ・スカイことローレン・スコット(Photo by Gabe Ginsberg/FilmMagic)



「薬物中毒者を1本1000ドルで雇っても、助けにはなりません」

実際にインターネット・ポルノ映画データベースに掲載されているプロフィールを見ると、スカイは2019年だけで20本以上の作品に出演している(もっとも、中には過去の作品のコンピレーションもあるが)。「名前が通っていて売れる女優なら、業界は使いたがるでしょう。それがこの業界の悪いところです」とオバーン氏も言う。「スポーツと同じですよ。誰かが負傷したら、代わりを見つけてプレーを命じる。彼女が絡むものは何でも売れたので、みんな彼女を使い続けたんです」。オバーン氏によれば、2018年のExxotica見本市でスカイから事務所に戻らせてくれと頼まれたそうだ。この時彼女はスピーグラーと袂を分かち、学業に戻るべく一時的に活動を休止していたが、それも長くは続かなかった。業界に復帰して以来、彼女はいくつもの事務所を転々とし、ごく普通の女の子というイメージとは相反して身体にタトゥーを入れていた。オバーン氏は申し出を断った。「彼女は以前とは違っていました。私が昔の彼女を忘れられない限り、代理人を務めるのは難しかったでしょう」と彼は言う。「あの時、私が代理人を務めたかったのは昔の彼女です。ダコタにはもうその面影はありませんでした」

この時スカイが受けた仕事は、以前仕事をしたことのある会社が、彼女の問題が公然としているにもかかわらず仕事をあてがって助けてやろうとしたケースが多い。だがブラッドリーさんは、薬物中毒にはまったスカイを雇った者は誰であれ、事実上背中を押したに等しいと言う。「彼女は何でもやるというところまで来ていました。ファンとの対面だろうが、エスコート嬢だろうが、コンテンツ案件だろうが、働けるときに働いていました。とても働ける状態じゃなかったのに」とブラッドリーさん。「この2年、彼女を起用した人は自分を恥じるべきです。彼女の精神状態はおかしかった。それは周知の事実でした。そうじゃないという人がいたら、それは嘘です」。数年前からスカイとは仕事をしていなかったが、時折連絡を取り合っていたセントジェームズ監督も同意見だ。「誰かがこういう状態だったら、自分にできることは相手を雇うことじゃない。私自身の責任問題になるからではありません、彼らのためにならないからです。だって、そんな状態で同意なんてできますか?」

スカイの死後、親しかった人たちは彼女から金を搾り取っていた人々、つまり元エージェントや元広報担当者や彼女を起用したプロデューサーが彼女を搾取し、助長すらしていた、と非難した。何人かはジェームズ・バートレット氏を名指しして批判した。スカイの友人で広報を担当していた彼は、彼女とひっきりなしにパーティを開いて薬物の問題を悪化させた(この件についてバートレット氏は、スカイがドラッグをやっているところは見たことがないし、一緒にドラッグをやったこともないと否定した。「このような言いがかりは名誉棄損です。世の中には悪いことをいうやつらが大勢いますからね」)。だがもっと大きな問題は、業界内にスカイをサポートする組織的な仕組みが欠如している点なのは、誰もが認めるところだ。「彼女には、『だめだ、君を起用するわけにはいかない、でも素面になる手伝いをしよう』と言う人がもっと必要でした。彼女はそれが得られなかった」とエヴァンス氏も言う。「薬物中毒者を1本1000ドルで雇っても、助けにはなりません」

Translated by Akiko Kato

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