DYGLが語るポップに突き抜けた新境地、Ykiki Beatから再発見したこと

ー最後の「Ode to Insomnia」は、バンドサウンドの流れの中で急にスマホで録ったような音質で。今作の中でも比較的暗い曲をラストに持ってくるのは、どんな意図があるんでしょうか?

秋山:最後に生の手触りのある、大袈裟じゃないものが聴きたいと思ったんです。「The Search」もエンディング感はあるけど、それで終わっちゃったら、ちょっと食傷気味な印象になるのを和らげてくれていいなと思って最後に入れました。全体のバラエティとしても短い曲、しかもiPhoneで録った曲をそのまま入れてもおもしろいなと。今作のレコーディングはスタジオで作業しましたが、実際の制作自体は家で作業して、考える時間も長かった。自分の部屋の空気感とか、部屋の鳴り、iPhoneの音質が最後に入ることで、あの時の記録みたいになるのもいいなと思って。


秋山信樹(Gt&Vo, photo by Masako Hirano)

ーなるほど。

秋山:最近は、よりパーソナルなものの方が伝わるという意識を持つようになったんです。この数年、自分の気持ちのために音楽とは関係のない詩を書くことがあって。そうすると内省的でダークな感情が出てきて、それを見て逆に落ち着くこともありました。今の自分はこういう気持ちなんだってそのまま残す曲があってもいいかなと思って。。皆で合唱したいとか、色々な希望の話もしてきましたが、これはこれで逆に聴き手に寄り添う曲であって欲しい。寄り添うと言うか、ただそこにあるみたいな。

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