追悼チック・コリア ジャズの可能性を広げた鍵盤奏者の歩み

チック・コリア、1977年撮影(Photo by Dick Barnatt/Redferns)


「彼のおかげでフェンダー・ローズが認められた」

駆け出しのころは技巧派プレイヤーとして名を馳せたコリアは、同時に創意あふれる作曲家/バンドリーダーでもあり、新しいアイデアにひるむことは決してなかった。アヴァンギャルド・ジャズを追求した大所帯バンド、サークル。ラテンミュージックに影響を受けたアップビートな楽曲を収録したアルバム『マイ・スパニッシュ・ハート』。『ナウ・ヒー・シングス』の3人組と制作したセロニアス・モンクの傑作集。エレクトリック・バンドではショルダーキーボードを振りかざし、ダンサブルなポップ風のサウンドを追求した。そしてモーツァルトからビバップの伝説バド・パウウェルまで、さまざまな音楽の英雄たちへのトリビュート曲。同じマイルズ組の出身であるハービー・ハンコックとはピアノデュオを組んで、長きにわたって活動した。

「俺の感じた限りだが、チックと組むのはすごく居心地がよくて安心できる。と同時にものすごく刺激的なんだ」。2015年、ハンコックはこう語っている。「つまり、彼はある種のクッションを提供する……ようこそと出迎える一方で、ちょっとしたスパイスも用意している……それも挑戦しがいのある刺激をね」



「コリアはジャズの在り方を変えた」。彼の訃報を受けて、ヴァーノン・リードはこうTwitterに投稿した。「多くの意味で。彼(とハービー・ハンコック)のおかげで、ジャズでもフェンダー・ローズが認められた。彼は文字通り、あらゆるスタイルの達人だった。彼はその領域に達していた。ただひたすら驚異的なミュージシャンだった」

「私が思うに、誰かのために音楽を作ることで私たち全員の中に自然にそなわっているものが刺激される」2020年にコリアはJazz Times誌にこう語っている。「誰もが持っている、生まれながらの感覚。プロになる必要はない――ただ1人の人間として生きて、想像力が働くままに心を解放するだけでいい」

From Rolling Stone US.




最新作
チック・コリア『プレイズ』
https://jazz.lnk.to/ChickCorea_Plays


第63回グラミー賞ノミネート作品
チック・コリア・トリオ『トリロジー2』
https://jazz.lnk.to/ChickCorea_Trilogy2

Translated by Akiko Kato

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