追悼チック・コリア ジャズの可能性を広げた鍵盤奏者の歩み

チック・コリア、1977年撮影(Photo by Dick Barnatt/Redferns)


マイルスへの影響、未来へのメッセージ

60年代初期、コリアはすでにトップクラスのピアニストとして名を馳せ、スタン・ゲッツやハービー・マン他多数のミュージシャンと共演した。60年代後期にはマイルス・デイヴィスのバンドに参加し、『ビッチェズ・ブリュー』といったアルバムの中で、トランペット奏者がコンテンポラリーな電子音楽へ方向転換するのに重要な役割を果たした。マイルスとの共演後には、革新的なエレクトロ系バンド、リターン・トゥ・フォーエヴァーを結成。フュージョン全盛期を代表する心に響くダイナミックな作品を残した。続く数十年はあまたのプロジェクトに参加し、ヴィブラフォン奏者ゲイリー・バートンとの洗練されたデュオに始まって、時代を牽引したエレクトリック・バンドにいたるまで、幅広い才能を発揮した。2020年の最新アルバム『プレイズ』では、クラシックやビバップ、その他数々の要素を交えながら、多様なスキルと自身が受けてきた音楽的影響を披露した。



「私の旅にお付き合いいただき、ともに音楽の光を明るく灯してくれた方々に御礼を申し上げます」。彼は家族を通じて、Facebookにこんなメッセージを寄せている。「演奏や作曲、パフォーマンスをたしなむ方々には、ぜひ続けていただきたいというのが私の願いです。自分自身のためでなくても、他の人々のためにぜひそうしてほしいのです。世界がより多くのアーティストを求めているからという理由だけでなく、ひとえに楽しみが増えるからです」

「そして、長年ともに過ごした家族のような素晴らしいミュージシャン仲間へ。君たちから多くを学び、ともに演奏できたことは天からの贈り物であり、栄誉でした。私は可能な限り創作の喜びを、心から敬愛するすべてのアーティストとともにもたらすことをつねに心掛けてきました――それが私の人生を豊かにしてくれたのです」

Translated by Akiko Kato

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