斉藤壮馬が語る新章 エモと『おジャ魔女どれみ』が共存する音楽の沼

第2期はこれまでやらなかったことをやる

ー歌詞もヴォーカル・ディレクションも現場で臨機応変に変えていく。ある種バンドっぽいですね。

斉藤:本当に。割とオールドスクールなバンドスタイルというか。TDとかでもエフェクトの細かいバランスを考えたりとか、「ペトリコール」だったら雨音をどれぐらいベタで貼るか、例えばイントロとアウトロだけ聴こえるようにするのかとか、そういうのを細かく試しながらやってみたり。「パレット」はとにかく低音をうるさくしてくださいみたいな感じにお願いしたりとか。僕がかなり細かいところまでお願いしてるのを、プロの皆さんがいい形にしてくださっているのはうれしいです。あとは前作の頃よりも機材が使えるようになってきたので、デモの段階で考えてることを伝えやすくなったっていうのはあると思います。イメージの共有に関してチーム内で齟齬がなくなってきてるというか。

ー結果的にバンド感が生まれてくるし、個人のクリエイターとしてもこだわりをギリギリまで追求できる。アーティストとしては理想的な環境ですね。

斉藤:そういうことを許される場をいただけてるっていうのは、すごくありがたいですね。

ー曲名も変えたりします?

斉藤:曲名はめっちゃ変えてますね。「パレット」はずっと「USエモ」っていう仮タイトルで(笑)、「ペトリコール」も最初は「雨だれ」とか「嘘をついてしまったよ」っていう仮タイトルでした。「ペトリコール」はカタカナを使わずに歌詞を書こうと最初は思ってたんですけど、途中で行き詰まって、そもそもそういう制限をかけるのを止めるのが第2期の自分だったはずじゃないかと思って、“6月のフレイバー”のフレーズが書けたんです。「Summerholic!」は……「リバティーン」っていう仮タイトルだったんですけど、僕は「リバティーン」と呼んでいたのに、全員「リバティーンズ」って言っていて、それを言っちゃおしまいだろみたいな(笑)。



「Summerholic!」のイメージとしては、リバティーンズとクリブスと『おジャ魔女どれみ』だったんですよ。“明日の準備と摂生倫理と~”とかは、それらの発想がうまくミックスされていますね。仕上がりのイメージとしては、邦楽というよりは断然洋楽。いろいろなところで細かく工夫をしています。ヴォーカルトラックも全てダブルトラックにしてたりとか。「in bloom」っていうシリーズ名もそうですけど、パパッとタイトルを決めることも多いですね。今回は使ってないですけど、「UK」とか「マリリン・マンソン」っていう名前のデモもあります。なので、しばらく経ってからファイルを見てみると、何が何だかぜんぜんわからないという(笑)。





RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE