indigo la Endが語る10年目の現在地「やっぱり椅子はひとつしかない」

indigo la End(Photo by Masato Morimoto)



インスト盤では楽器の呼吸感がちゃんと聴こえてきた

―米津くんもそうだし、星野源さんとかもそうだと思うけど、大衆的なポップスとしての期待に応えつつ、ときどき逸脱してみせるからこそ面白くて、それができる音楽的なポテンシャルっていうのはインディゴにも十分あると思います。それこそ7月に発表されたインスト盤の『藍楽無声』はバンドのポテンシャルの証明になっていて、「歌詞やメロディの良さだけじゃない」っていうのを改めて示す作品にもなっていたと思うし。

川谷:こんなアルバム普通出さないと思いますし、出してもカラオケ盤みたいにサラッとした感じになっちゃうと思うけど、俺ら自分で聴いて改めて「だいぶ歪だな」って思って。



―今世の中的に一番聴かれてるインディゴの曲は「夏夜のマジック」なわけだけど、やっぱりどう考えても普通のドラムじゃないしね(笑)。

長田:打ち込みって言われてたもんね(笑)。

佐藤:打ち込みです。自分から言っていこうかなって(笑)。

川谷:もともとカップリングだったから、ちょっとふざけた感じもあって、でもあの時代のオケも良かったりして。「悲しくなる前に」のリズム隊とか、ベースのバキッとした感じとかもあれはあれですごくいいし。「チューリップ」とか、最近のインストはめちゃ完成度高いですけど、でも過去のインディ感もいいなって思いますね。

佐藤:楽器の呼吸感みたいなのがあるじゃないですか? 楽譜に「音符をここまで伸ばす」ってなってても、その前のピックが弦に当たる音とか、ベースのグリッサンドとか、ドラムにしてもそれがあって、いま高山(徹)さんがそこをめちゃめちゃクローズアップしてくれた曲がストックとしてあるんです。そういうのも含めて、呼吸感がちゃんとコンパイルされてるバンドってホントいないんで、それがちゃんと聴こえてきたから、間違ってなかったなって。しかもそれを作為的じゃない形で残せたっていうのは、誇りとして持っていいと思うし、他のバンドとは違う部分かなって。

―その呼吸感は「夜風とハヤブサ」からもちゃんと感じられて、さっき「リハでは機械みたいにガチガチに叩いた」って話もあったけど、少なくとも音源はマシンファンクみたいなものとも違って、ちゃんとバンドの呼吸感が伝わるものになっていて。

佐藤:めちゃくちゃ怒ってる人がスペクトラムを叩いたって気分(笑)。スペクトラムにはなれてなくて、ずれてるっていうか、ハットの開く閉じるも再現できないのが縦横無尽に入ってて、それをガチガチには……やれないんですけど(笑)、そういう押し引きの面白味が残せてるのを確認できたし、今後もそういうのが残せたらなって。

川谷:なので、『藍楽無声2』があってもいいし、次のアルバムを丸ごとインスト盤で出すとかでもいいなって。今回の『藍楽無声』はストリーミングで聴かれてるランキング順に25曲選んでるだけで、ファンアイテムみたいな意識がこっちにもあるので、ちゃんと新しい自分たちをコンパイルしたものであれば、より自信を持って、作品として出せるなって。

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