indigo la Endが語る10年目の現在地「やっぱり椅子はひとつしかない」

自分の中での決め事をひとつ破った「夜風とハヤブサ」

―「夜漁り」も「夜風とハヤブサ」も、次のアルバムに向けて作られた曲だと思うんですけど、アルバムとしての青写真はどの程度ありますか?

川谷:『濡れゆく私小説』は「思いっ切りシティ・ポップに行こう」みたいな感じがありつつ、結局行き切らなかったアルバムではあって、今回は……行くやつは行くけど、行かないやつは行かない(笑)。「夜漁り」はわりとノリで作った感じなんですけど、「夜風とハヤブサ」は完全に狙って、サウンドも最初から決めて、ギターのカッティングも、シンセのフレーズも、ほぼほぼ決め込んで。でもアルバム全体がこういうコンセプトってわけではなく、今回もいろんなエンジニアさんで録ってて、(井上)うにさんの曲もすでに2曲上がってて、それもまた全然違うし。でもどちらかっていうと、「夜風とハヤブサ」みたいなファンクなノリっていうか、長田くんがカッティングしてるみたいな曲が結構多いかも。



―4月に絵音くんにストロークスについての取材をしたときに、高中正義さんが参加してた時期の井上陽水さんの話をしていて、「夜風とハヤブサ」はそのことを思い出しました。

川谷:そうですね。その頃そればっかり聴いてたんで(笑)。



―ギターの録音はラインですか?

長田:ソロも含めて全部ラインです。今回アルペジオは封印しました。カッティングはしんどいんでやりたくないんですけど(笑)。

川谷:でもこれ初めてリードがシンセなんですよね。今までは後ろでピアノが鳴ってても、コーラスが目立ってても、なんだかんだ言ってほぼほぼギターがリードフレーズを弾いてて。でも、今回はがっつりイントロがシンセなので、そこはかなり挑戦というか。僕の中で言うと、「インディゴはギターが2本、ゲスの極み乙女。はキーボードとギター」っていう違いがあったけど、その決め事をひとつ破ったというか、そこはインディゴとしては目新しいことで。今のインディゴは「夏夜のマジック」、「チューリップ」、「通り恋」とかがすごく聴かれてるけど、別の側面も見せていかないとつまらなくなっちゃうと思っていて、だから「夜風とハヤブサ」がリードなのはある意味挑戦なんですよね。俺サビ録ったあと何回も「これキャッチーかな?」って、メンバーに確認しましたもん。

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