PassCode高嶋楓が語る、グループの安定感担うひたむきさ

安定感があるだけではダメ

―明確な答えが出ないまでも、日々物事を考えるなかで、自分が理想とするPassCode像というのが徐々に固まってきているのかもしれないですね。それが様々な場面で自分の意見として出てくるのかなと……そんな大層なものでもないですか?

いや、改めてこうやって自分が考えてることを人に話すと、自分ってやっぱりこういう考えなんだなって思い知らされます。

―まあ、普段こういうことって話さなそうですもんね。

まったく話さないです(笑)。

―では、「PassCode CLARITY Plus Tour 19-20」について話を聞かせてください。

今までで一番難しかったです。ZENITH TOUR(「PassCode ZENITH TOUR 2017」)はメンバーの不調を乗り越えてもっといいライブをしていこうとか、その場その場で生まれる壁を乗り越えていく感じだったんですけど、今回は安定感のあるライブがずっと続いて。でも、安定感があるだけではダメで。バンドの方からもライブ後にいろいろアドバイスをもらうなかで、「安定感があるだけじゃダメだし、なんも面白くない」って言われたんですよ。自分では全力を出してるつもりのライブでも、周りからは「もっとできるやろ」って。だから、「どうしたらいいんやろ」ってライブが終わるたびに悩んでました。



―その答えは出ましたか。

そうやって言ってもらった次のライブでは、「もっと表情を豊かにしたらいいんかな」とか、「もっとバンドと目を合わせたらいいんかな」とか、少しずつ変化を入れていったりしたんですけど、「よかった」って言われるようなライブは全員が「めっちゃよかった!」って感じたライブで、自分だけが「今日めっちゃできた」っていうものじゃないんですよね。だから、答えを見つけるのは難しいなと思って。結局、「グルーヴ感なのかな?」みたいな話をずっとしてました。

―その集大成が新木場Studio Coastでのツアーファイナル2デイズだったんじゃないですか。

そうですね。悩んできた分、爆発できたというか。本当に集大成ですね。

―あの2日目のライブが現時点でのベストな形なんじゃないかと思ったんですけど、どうでしょう。

1日目があまり納得のいくライブじゃなくて、そんな状態で次の日に挑んで。一日一日の話じゃなくて、2日でひとつのライブという感覚だったので、結果的にはよかったと思うんですけど、2日目のようなライブを1日目でもしたかったなっていうのが心残りです。

―2日目アンコールでのMCで流した涙はどういうものだったんですか。

自分がどういうライブをすればいいのかわからなくてずっと悩んでいたから出た涙なんですかねえ……。今までPassCodeをやってきて、「こんな曲じゃ売れないよ」っていろんな人から言われてきて、アイドルのイベントに出たら「バンドのイベントに出ればいいのに」って言われたり、その逆もあったり。でも、自分たちを信じて続けてきた結果、ああいう日になったから、「続けてきてよかったな」って感じで出たものでもあるのかもしれない。

―安心の涙、か。少なくともZENITH TOURのファイナルで流した涙とは違うんですね。

違います! あの日は「苦しかった~」の涙です。不満だらけの涙でしたね。

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