BiSHモモコと篠塚将行のむき出し対談「傷つけられたままで終わりたくない」

左からモモコグミカンパニー、それでも世界が続くならの篠塚将行(Photo by Takuro Ueno)



モモコちゃんの歌を聴いて、俺もああいう風に歌いたいと思った(篠塚)

モモコ:横アリのときは精神状態が不安定で、自分の見え方をすごく気にしてたというか、人前で歌うのが恥だと思ってしまうくらい、なんか恥ずかしかったんです。いろんな人に注目されるようになって、ナイフみたいな言葉で刺してくる人もいるわけじゃないですか。そういうことに繊細になりすぎてしまって、ステージに立つ前はガクブルで前日も吐いたりしました(笑)。でもバカにされるかもしれないけど、モモコグミカンパニーは私一人しかいないんだし、ここで怯んだらお客さんに失礼だと思って。歌うことで私はここにいるんだって言いたかった。だからいつもより荒削りだったかもしれない。DVDを見返すと自分でも「あっ」ってなるくらい力んでるのがわかるんです。歌声とかパフォーマンスとかが強すぎるというか。だけど篠塚さんが、ライブ終わった後の挨拶で話したときに褒めてくれたんですよ。「俺もああいう風に歌いたかった」って。それが本当にうれしくて。歌で褒められることってあまりないので。

篠塚:文章も音楽も技術でできることってあるじゃない。それっぽい言葉ってあるし、それっぽい歌声もあると思う。特に深い意味はないけど、語尾をかっこよくしてみるとか。でもモモコちゃんの歌はモモコちゃんそのものっていうか。ちょっと違う話になっちゃうかもしれないけど、今まで生きてきて自分が強く覚えてる光景って、先生のお話とか整ったものじゃなくて、メイク崩れるぐらいぐしゃぐしゃの顔で泣いてる女の子の声だったり、必死になってる人の顔だったり、本当に人の心を動かすものって、そういうものだと僕は思う。あの日のモモコちゃんの歌はそれと通じるような、血が通ったものだったと思うんです。

歌の技術がどうとか、そういうものを超えたところで、言葉にできないようないろんな感情が歌声に乗っかってる感じがして、本当にすごかった。悲しい気持ちを表現するために歌うとか、そういう技術的なことじゃなくて、「今、自分はここで生きてる」っていう気持ちがそのまま伝わってきたというか。表現って、やっぱり技術や知識じゃできないことが沢山あるから、あの日のモモコちゃんの歌を聴いて、俺もああいう風に歌いたいなと思った。



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