「グランジ」史上最高のアルバム50選

Photographs in illustration by Kevin Mazur/WireImage, 2; Jeff Kravitz/FilmMagic; Mick Hutson/Getty Images


20位 グリーン・リヴァー 『ドライ・アズ・ア・ボーン』(1987年)


数年のライブ活動の後、少し変わったレコーディングの末、グリーン・リヴァーは1987年の『ドライ・アズ・ア・ボーン』にそのグルーヴを刻んだ。『Come On Down』(1985年の前作:29位)が“あるがままの生の”作品であったのに対し『ドライ・アズ〜』は3、4分に切り分けた感情的爆発をパンクとメタルの境目のない混合物として完璧に仕上げたものであった。「『ドライ・アズ〜』は俺のお気に入りのグリーン・リヴァーのアルバムだ。あの頃はまだそれをすごく楽しくやれていた。成功しつつあったしあまり考えることに時間を費やさなくてよかった」と最近になって、ギタリストのストーン・ゴッサードはローリングストーン誌に語っている。彼らはこのアルバムをスキン・ヤードのギタリストでもあるプロデューサー、ジャック・エンディノの下、たった数日でレコーディングした。エンディノは『ドライ・アズ〜』に洗練された鋭さをもたらし、激しい「ディス・タウン」(「崖っぷちに追いやられてしまった」とマーク・アームはがなるように歌っている)やエアロスミス風ブギーの「アンワインド」のような曲がアルバムを引き立てている。

サブ・ポップはこのリリースの宣伝で大げさに「時代のモラルをぶっ壊す超絶自由なグランジ」と書いており、これが「グランジ」という言葉を使って世に出された初めてのレコードであった。数年後、このバンドのメンバーたちはマッドハニー、パール・ジャム、ラヴ・バッテリー、マザー・ラヴ・ボーン、テンプル・オブ・ザ・ドッグで、時代を決定づけるその予言を実現させることとなった。





19位 『シングルス:オリジナル・サウンドトラック』(1992年)


キャメロン・クロウが脚本と監督、マット・ディロンとブリジット・フォンダが主演を務めるラブコメ映画『シングルス』はグランジのカルチャーが重なり合う、時代を象徴する映画だ。しかし、クロウは『ネヴァーマインド』が世に出る前にこの映画に着手しており、シアトルには個人的な繋がりがあったり(当時の妻、ハートのナンシー・ウィルソンは長年のシアトル居住者だった)するなど、『シングルス』は金儲けを狙って作った映画ではなかった。映画公開の数カ月前にリリースされたサウンドトラックは、シーンを代表するバンドが『シングルス』のために提供した新曲で構成されており、グランジを世に知らしめる完璧な序奏となった。

パール・ジャムの攻撃的な「ブレス」や「ステイト・オブ・ラヴ・アンド・トラスト」、スクリーミング・トゥリーズの力強い「ニアリー・ロスト・ユー」、アリス・イン・チェインズがアンドリュー・ウッドに捧げた曲「ウッド?」などの曲はグランジの絶頂そのものであり、クリス・コーネルのアコースティック曲「シーズンズ」はシーンのあまり知られていないサイケ・フォークの一面を示している(ジミ・ヘンドリックスや、アン&ナンシー・ウィルソンのサイドプロジェクト=ラブモンガーズの曲が収められているのは、シアトルのロックがグランジから始まったわけではないということも思い出させてくれる)。サイモン&ガーファンクルの曲を『卒業』で使用したマイク・ニコルズの手法のファンであるクロウは、『シングルス』のサウンドトラックについて「『卒業』のような感覚があったんだ。『シングルス』はその感覚の中に本当に飛び込んでいくような作品だ」と語っている。




Translated by Takayuki Matsumoto

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE