【2010年代のポップ・ミュージック地図】2018年、英国R&Bシンガーが世界を席巻する時代がやってきた

イギリス出身の女性R&Bシンガー、ネイオはこうした変化に対する興奮を以下のように語っている。

「(エラ・メイやジョルジャ・スミスのブレイクは)すごくエキサイティングなことだと思う。よく、『UK出身だとアメリカとかワールドワイドでブレイクするのは難しい』って言われてたでしょ? でも、インターネットのおかげで、やっと状況が変わってきた。彼女たちはアメリカやそれ以外の国でもブレイクしているわけだから。私はジョルジャやエラ・メイは好きだし、彼女たちがアメリカやそれ以外の国にも紹介されていることはとても嬉しい。エキサイティングよね。私に関して言えば、アメリカのショーも何回かソールド・アウトになったし、オーストラリアや、韓国、ヨーロッパもソールド・アウトになった。それはインターネットのおかげだと思う。音楽がいろいろなところに広がるようになったのよ。UKのアーティストにとっては、音楽的にとてもエキサイティングな時代だと思う。世界に発信することができているんだから」

つまり、2018年とは「イギリスの女性R&Bシンガーが世界を席巻する時代」と評することも出来るだろう。ストリーミング・サービスやSNSの浸透もあって、2018年はラテン圏やアジアのアーティスト/サウンドが北米メインストリームでも大きな注目を集めた。それに続いて、今はイギリスに再び脚光が当たり始めている。しかも今回の主役は、これまであまり注目を浴びてこなかった「女性R&Bシンガー」たちなのだ。

そこで、本シリーズ記事では、こうした時代の変化を象徴するイギリスの女性シンガーたち――エラ・メイ、デュア・リパ、ネイオ、ジョルジャ・スミスの4人それぞれにスポットを当てていきたい。一体彼女たちの何が新しく、なぜ人々を熱狂させているのか? ローリングストーン誌によるインタビューや論考を交えながら、1人ずつ紐解いていこう。

・エラ・メイ
いかにして無名の英国シンガー、エラ・メイは北米ポップ・シーンの頂点に立ったのか?

・デュア・リパ
「アデルとエド・シーランの英国」を終わらせたデュア・リパは何故「timesup時代の愛の戦士」と呼ばれるのか?

・ネイオ
2018年の「英米クロスオーバー現象」の先駆け ポスト・FKAツイッグス的存在から、ネイオが世界的に羽ばたこうとしている理由

・ジョルジャ・スミス
サウス・ロンドンの歌姫、ジョルジャ・スミスは、何故ドレイク、ケンドリック・ラマーから相次いでフックアップされたのか?


Edit by The Sign Magazine

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