ジャネール・モネイが語る、セクシュアリティの秘密、プリンスとの関係

ジャネール・モネイ(Photo by Matt Jones for Rolling Stone)



中性的な衣装に身を包み、幼い頃から慣れ親しんだパーラメント/ファンカデリックを彷彿とさせるトリッピーなサウンドスケープを生み出す、黒い肌の女性アフロフューチャリストというペルソナは、彼女の恐怖心から生まれたものだったと言える。2008年に自身のレーベルであるバッド・ボーイとの契約を申し出たパフ・ダディ、そしてビッグ・ボーイらは、ポップの世界において極めて異質な存在であった彼女に大きな可能性を見出した。

瞬く間に話題となった『ジ・アーチアンドロイド』、バッド・ボーイ史上最も野心的なコンセプトアルバムとなった2013年作『ジ・エレクトリック・レディ』の2作によって、彼女は21世紀を象徴するアーティストの1人となった。フランク・オーシャン、ソランジュ、ビヨンセ、シザ等によって、オルタナティブR&Bというジャンルがメインストリームに押し上げられる何年も前から、モネイはネオ・ソウルの旗手として、ロック、ファンク、ヒップホップ(先日発表されたシングル「ジャンゴ・ジェーン」で、彼女は自身が一流のラッパーでもあることを証明してみせた)、R&B、エレクトロニカ、そして学生時代に学んだ舞台演劇まで、あらゆるジャンルを飲み込んだ唯一無二のスタイルを打ち出していた。



彼女は自身のセクシュアリティについて語ろうとしなかったが(「私はアンドロイドとしか付き合わない」というのがお決まりの回答だった)、自身の音楽がその答えを示していた。「アルバムを聴けば分かるはずよ」。彼女はそう話している。「Q.U.E.E.N.」と「マッシュルーム&ローゼズ」では、メアリーというキャラクターに対する恋心が描かれている。

『ダーティー・コンピューター』の発表と併せて公開された45分間の映像作品において、捕らわれの身となり名前を剥奪された女性たち「ダーティー・コンピューターズ」は「メアリー・アップル」と呼ばれている(その1人を演じるテッサ・トンプソンはモネイのガールフレンドだと噂されているが、彼女は固く口を閉ざしている)。彼女は「Q.U.E.E.N.」の原題は「Q.U.E.E.R.(同性愛者)」だったと語っており、バックグラウンドコーラスではその言葉を耳にすることができる。


2015年、ロサンゼルスで行われた『クリード チャンプを継ぐ男』の試写会パーティでのモネイ(Photo by Shutterstock.com)

レーベルのCEOであり、CoverGirlのモデルも務めるモネイだが、黒人キャストを中心とする『ムーンライト』(アカデミー賞受賞)、『ドリーム』(同賞ノミネート)の2作では、女優としての才能を開花させた。両作のようなアフリカン・アメリカンにフォーカスした作品は、小規模な劇場のみで公開されるケースが多い。「はっきり言って、私たちの物語は無視され続けてる」。そういった思いが、彼女に両作への出演を決意させたという。

仮面の下に隠された素顔を明かすことに、モネイは恐怖感を抱いていた。「世間は私という人間に、シンディ・メイウェザーのような魅力を感じないかもしれない」。彼女はカウンセラーにもそう話していたという。

Translated by Masaaki Yoshida

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