ジャネール・モネイが語る、セクシュアリティの秘密、プリンスとの関係

ジャネール・モネイ(Photo by Matt Jones for Rolling Stone)



アンドロイドを演じることで得られた充足は、彼女にとって大きな意味を持っていた。「あのキャラクターは私の理想を体現してた。その一方で、ジャネール・モネイという人間はセラピーに通ってた。シンディ・メイウェザーは、私がこうありたいと願う自分自身の姿だったの」

『ダーティー・コンピューター』においては、そのタイトルと付随する映像作品のストーリーを除けば、SF観はなりを潜めている。肉体と精神の両面における脆さ、そしてひた隠してきた性的指向が、本作では生々しい言葉で綴られている。過剰な自意識から解放され、彼女は剥き出しの欲求を世界と共有してみせた。そうすることで彼女は、リスナーに汚れたコンピューターへと変貌するための勇気をもたらしたいと願う。

「ノンバイナリー、ゲイ、ストレート、クィア……自身のセクシュアリティについて悩み、ありのままの自分でいられる場所を見つけられずにいる少女や少年たちに、自分は独りぼっちじゃないってことを伝えたいの」。そう語る彼女には、腕に付けられた司令官のワッペンがよく似合う。「このアルバムで歌われているのはあなたのこと。素顔の自分に誇りを持って」

カンザスのカンザスシティでバプティストの家庭に生まれたモネイには、実に50人近い従兄妹がいるという。モネイの恋愛事情については知らずとも、その多くは彼女がトンプソンとロリポップを舐め合う「メイク・ミー・フィール」のミュージックビデオを見たに違いない。「今は本当に忙しいからね」。彼女は笑ってこう話す。「親戚全員でタウンホールに集まって、互いに近況報告し合うような時間はないの」。翌日の取材でカンザスシティを訪れた際に、彼女は彼らから質問攻めにされることを覚悟していた。「私のことを心から愛してくれてる彼らが、私に聞きたいことがあるんだとしたら、答えないわけにはいかないでしょうね」



過去何年かに渡って、彼女は比較的遠い関係にある親戚たちから心ない言葉を向けられてきたという。「このアルバムの大部分は、彼らとのやり取りの中から生まれたと言えるわ」。彼女はそう話す。「『すべての同性愛者は地獄に堕ちる』。そう信じている彼らに対する、私からの回答なの」

彼女は早い段階で、聖書とバプティストの教えについて疑問を抱くようになったという。そして今、彼女は胸を張ってこう話す。「私は愛という名の神に仕える身なの」。彼女が崇拝するその神とは、『ダーティー・コンピューター』のインタールードでスティーヴィー・ワンダーが語った、宗教の違いを超越した崇高な存在のことだ。

彼女の予想とは裏腹に、我々がカンザスシティの産業地帯にある彼女の実家に出向いた際にも、家族や親戚たちが彼女を質問攻めにすることはなかった。故郷に戻ってきたスーパースターを、彼らはただ温かく迎え入れた。

Translated by Masaaki Yoshida

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