RUN-D.M.C.のDMCが語る、過去、現在、未来

(Photo by Frank Micelotta/ImageDirect/Getty Images)


ーリック・ルービンと制作した『ウォーク・ディス・ウェイ』について、あなたたちは「ダサい白人のマネごと」と語ったという逸話があります。

そのとおりだ。

ーあなたのロックへの傾倒は、いつどのようにして始まったのでしょうか?

子供の頃からさ!あの曲を作ったのは俺がロックが好きだったからじゃなくて、俺がヒップホップ・アーティストだったからだよ(笑)俺はクイーンズのホリスで生まれ育ち、いつもローカルラジオ局の77WABCを聴いてた。ジェームス・ブラウン、スライ&ザ・ファミリーストーン、ジャクソン5とかはもちろんだけど、ハリー・チャップリンなんかもよく流れてたんだ。他にもドゥービー・ブラザーズ、ザ・ビートルズ、(ボブ・)ディラン、(レッド・)ツェッペリン、エルトン・ジョンなんかもね。あと『ライト・オン!』っていう雑誌があって、ダシーキとベルボトム&厚底靴っていうファッションでアフロヘアのマイケル・ジャクソンとか、ブラック・パワー時代のジェームス・ブラウンとか、そういうのがたくさん載ってた。でもどういうわけか、俺は当時からソウル・ミュージックにはまったく興味がなかった。俺が好きだったのはクロスビー、スティルス、ヤング&ナッシュやジョン・フォガティだったんだ。そういう音楽の持つストーリー性に惹かれていたのかもしれない。ニール・ヤングはケント州立大学での銃撃事件やニクソン大統領のことなんかを曲にしていたし、ロックは物語性に富んだ音楽だと感じていたんだ。(ジャクソン5の)『ABC、気楽にいこうよ...』みたいなものよりも、俺にはロックのハードなギターやドラムビートのほうがピンときたんだよ。

俺がベッドルームでヒップホップのマネごとを始めた頃は、せっせと小遣いを貯めてはレコード屋に通って、アフリカ・バンバータ、コールド・クラッシュ、ザ・トリーチャラス・スリーのメンバーだった頃のクール・モー・ディーなんかのテープを買い集めてた。クール・ハークがかけるビリー・スクワイアの『ビッグ・ビート』、グランド・ウィザード・セオドアがミックスする『地獄へ道づれ』、グランドマスター・フラッシュがプレイする『ウォーク・ディス・ウェイ』に合わせてフリースタイルでラップするミスター・ネスとメリー・メル、当時俺はそういうのに夢中だったんだ。ディスコやR&Bよりも、俺はロックのドラムやギターのビッグなサウンドにいつも反応してた。『ロック・ボックス』で俺たちがイメージしていたのは、ビリー・スクワイアの『ビッグ・ビート』のような、文字どおりのビッグでラウドなロック・サウンドだった。だからラリー・スミスはあの曲にギターを入れたんだよ。あの曲は紛れもなくロックだし、『キング・オブ・ロック』もそうさ。

今作ってる新しいアルバムには、サム41にプロデュースしてもらった曲が収録される予定なんだ。彼らがランDMCに影響されてバンドを始めたって聞いて驚いたよ、当時彼らはまだ子供だったはずだからな。でも彼らは『ロック・ボックス』や『キング・オブ・ロック』に衝撃を受けたらしいんだ。

Translation by Masaaki Yoshida

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