RUN-D.M.C.のDMCが語る、過去、現在、未来

(Photo by Frank Micelotta/ImageDirect/Getty Images)


ーあなたは自身のコミックブランドを立ち上げましたが、その運営において最も大変なことはなんでしょう?

もちろん経済面さ、そんなの言うまでもないだろ?DMCコミックスの創刊号はすごく評判が良かったんだ。最高のアーティストやライターを起用して作り上げたストーリーに、自分たちでも惚れ惚れしたぐらいだからな。去年出した第2刊もすごく好調だよ。DMCコミックスは人気が爆発する一歩手前、スター・ウォーズでいう『ジェダイの帰還』の段階にいると思う。

DMCがスーパーヒーロー役のストーリーばかりを作り続けるつもりじゃないぜ。そんなの退屈するに決まってるからな。DMCはあくまで初代スーパーヒーローってだけだ。もしかしたら第10刊か11刊くらいで、もう飽きられるかもしれないしな。読者は常に新しい悪役とヒーローを求めるものだ。実際に第2刊では16歳のラテン系のスーパーヒーローが登場するんだ。商業的な成功も大切だけど、俺は人種や文化の多様性を反映した作品を作りたいんだよ。ヒップホップがそうであるようにね。86年のニューヨークのダンステリアにはありとあらゆるセレブが集まってた。ブロンディー、ジョーイ・ラモーン、ルー・リード、ラン、アフリカ・バンバータ、(グランドマスター・)フラッシュ、ファブ・ファイブ・フレディ、ビースティー・ボーイズ、バスキア、キース・ヘリング、それにマドンナ。人種と文化の多様性こそが、ニューヨーク・シティの最大の魅力なんだよ。

俺は子供の頃からコミックブックが大好きだった。俺にとってそれは現実逃避の手段であると同時に、この世界で生きていく術を教えてくれるものでもあった。カトリック系の学校に通うメガネをかけた冴えない生徒だった俺は、通りの灯りが消える頃までには必ず帰宅しないといけなかった。制服を着てたからかすぐ目をつけられて、いつも苛められてた。靴や金を取られたことも1度や2度じゃない。だから当時は学校が終わるとすぐ家に帰って、マーブル・コミックを食い入るように読んでた。学校では第2次世界大戦について学び、家ではキャプテン・アメリカの世界にのめり込んだ。学校では宇宙や惑星についての知識を深め、家ではシルバー・サーファーのキャラクターになりきってた。俺は科学やロボット工学、鉱物や資源についてもたくさん学んだけど、アイアン・マンを読んで同じくらい多くの知識を身につけた。俺のアイデンティティ、そしてストーリーテラーとしての才能は、コミックブックを通して育まれたと言っても過言ではないんだ。




Translation by Masaaki Yoshida

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