CrossfaithとWARGASMが語る、「ネガティブをぶち壊すため」の共闘

「God Speed feat. WARGASM」誕生の背景

―そういう意味では、今回2組がコラボした「God Speed feat. WARGASM」には今お話していたようなフィーリングがありますよね。Crossfaithはなぜ今回こういった曲でWARGASMとコラボしたいと思ったんでしょうか。

Koie 音楽づくりに対するアティチュードが俺たちは似ていてそこにシンパシーを抱いたから、君たちと一緒に音を鳴らしたいと思ったんだ。

Teru 俺たちは嫌なことや悲しみを爆音がかき消してくれると信じていて、今の世の中ってすげえネガティブなニュースが多いから「God Speed feat. WARGASM」のようなエネルギーのある曲をWARGASMとつくりたかったんだ。

Koie 今回、WARGASMと一緒に曲をつくることでいつもと違う視点を持てたし、それによって新しい可能性を表現できた気がする。

サム 俺もそう思う。俺は君たちから「とにかくやろうぜ!」っていうDIYのエネルギーを感じる。時々、誰かがセットアップしたコラボがあるけど、それはあまりに企業的で、何人もの人を経由しないといけないだろ? でも、俺たちにはすでにつながりがあったし、間に人を挟まなくてもインスタとかのチャットでことが済む。それがいいところだと思う。

Teru プロディジーとかスリップノットとか、俺たちが同じDNAを持ってることはWARGASMの曲を初めて聴いたときにすぐわかったし、さっきはエヴァンゲリオンが好きっていうこともわかって、そこも共通してるよね。

サム いろんなことをシェアしてるよな。あと、スコッチも(笑)。






―(笑)WARGASMのふたりは「God Speed feat. WARGASM」のデモを聴いたとき、この曲にどう取り組もうと思いましたか?

ミルキー 「God Speed feat. WARGASM」はBABYMETALとのツアー先で初めて聴いたんだけど、不思議なもので、ツアー中ってライブに集中してるから創作に意識を向けるのが難しくて。だけど、「ツアーが終わったらこの曲をやれるんだ!」と思ったらすごく興奮したことを覚えてる。

Teru ツアー中に曲を書くことがすごくタフだというのは俺たちもよく知ってるから、今の話を聞いて、「本当にありがとう」って思う。

ミルキー ははは!

サム 俺は君らに付いていくのに必死だったよ。特にサビ前の部分を初めて聴いたときは、「これは難しいぞ……!」と思った。

Koie 本当に?

サム うん。サビ前からの流れに一貫性を持たせないといけないと思ったから、すごく難しいと思った。だからじっくり曲を聴いて、頭の中でいろいろ考えたよ。歌詞って最初から見えてるときもあるけど、書いてるうちにだんだん見えてくることもあって、今回はパズルをするような感じで言葉を組み立てていったんだ。ハードルは高かったけど、だからこそ興奮したよ。

Koie そのパートは君らがスクリームしたりすることを想像しながら書いたんだ。

サム たくさんクールな提案をしてくれてよかったよ。みんなに早く聴いてもらいたいな。

―この曲のリリックにはどんな感情を込めていますか?

Koie 抑えきれない欲望に抗わずに飛び込めよ、みたいな曲ですね。ソーシャルメディアに流れてるようなくだらないものとかネガティブなものは全部気にせず、自分のやりたいようにやれよっていう。

サム 「Doom Scrolling」っていう言葉を知ってる? X(Twitter)とかで気が滅入るようなものを見続けてしまう行為で、世界からは目を背けるべきではないけれど、時にはあまりにも悪いニュースが多すぎることがあるし、ソーシャルメディアは人を孤立したような気持ちにさせるだろう? この曲では、「そんなもん、クソ喰らえ!」って歌ってるんだよ。

Koie ギターを持ってスクリームしろってね(笑)。

ミルキー エネルギーがあってカタルシスが感じられるような歌詞だから、わざわざ難しい言葉で語らなくてもこの曲が持つエネルギーから感じられるものはたくさんあるんじゃないかな。

―「God Speed feat. WARGASM」は日本でMV撮影をしたそうですね。いかがでしたか?



サム&ミルキー ローーーング(笑)。

ミルキー すごく長い1日だったな。曲がハイエナジーでよかったよ。これがバラードだったら撮影の途中で寝ちゃってただろうし、この曲のエネルギーのおかげで1日を乗り切れたと思う。

Teru 聞きたいんだけど、最初のシーンを小さな公園で撮ったでしょ? そのとき「この撮影、大丈夫かな……?」って思わなかった?

Koie あっはっは! そうだね(笑)。

ミルキー そんなこと思わなかったよ! 私たちが撮影場所に行ったら日本の女子高生の制服があって、あれはいいサプライズだった(笑)。

Teru ふたりともめちゃめちゃ似合ってた!

ミルキー ああ、ありがとう!

Koie ふたりとも日本でのMV撮影を楽しんでくれてよかったよ。

サム 撮影スタッフが集まってきて、緑髪の人がディレクターだってわかった瞬間に、「あ、これは大丈夫だ」って思ったよ。こんな感じのスタッフがいるならいい作品になるだろうから、何も質問せずにやるべきことをやろうって。

Koie 彼は全部わかってるからね(笑)。


Photo by Daiki Miura

―MVはどんな世界観なんですか?

Koie 日本のアーティストと海外のアーティストがコラボするというコントラストもあるし、朝イチに小さな公園で撮ったちょっとキュートな瞬間も収めてたりして、おもしろいものになると思います。

サム 俺はすごくカラフルでエキサイティングな印象があるな。音楽にもエネルギーがあるし、目を引く場面がたくさんあると思う。

Koie さらにデジタル・グラフィックも追加されてるからね。

サム そうだった。なおさらすごくフレッシュで未来感のあるものになりそうだね。めちゃめちゃたくさんのカットを撮ったから、カット割りを細かくしないと全部詰め込めないかも。

Koie ジェットコースター的な展開にしないとね。

サム まさにそう。


Photo by Daiki Miura

Translated by Kazumi Someya, Daishi "DA" Ato

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