Ken Yokoyamaが8枚目となるフルアルバム『Indian Burn』を完成させた。8枚目の作品、Ken Yokoyamaとして活動をはじめて20年を経過してもなお、こんなに新たな色を出せるのかと感服する出色の出来栄えだ。【写真を見る】横山健が語る「革ジャン」の哲学11月にリリースされたシングル『These Magic Words』に続くインタビューとなった今回は、横山健とJun-Gray(Ba)にご登場願った。前回のインタビューから引き続き、バンドという集合体についての話から新作の話へと移っていくのだが、『Indian Burn』にはこちらが想像していなかった苦悩や工夫が込められていたことを知る。最後に横山から打ち明けられた制作秘話には、筆者だけでなくバンドメンバーのJun-Grayまでもが大きく驚くこととなった。
―前回のインタビューは読んでくれました?KEN もちろん!
―なんか、内容よかったですよね。KEN よかったね(笑)。
ー最近、インタビューの原稿チェックは横山さんもちゃんとしてるんですか?KEN 前はあんまり気にしなかったけど、最近はちょこちょこ自分で修正したりすることは多いなあ。やっぱり、文字になったときに「もうちょっと伝えたい」っていう欲があるのかな。
ーそれでも少ないですけどね。Ken Yokoyamaをはじめた最初の頃はけっこう修正してた気がします。KEN え、そうだった? へぇ~。
ーだけど、年々少なくなっていって、最終的には「チェックは別にいいよー」くらいなノリになって。それってなんでなんですかね?KEN うーん、ちょっと母ちゃんに電話して聞いてみようか?
ーあはは!KEN いや、きっとモードはあるよ。具体的に伝えたいことがある時期とフィーリング重視の時期とさ。フィーリング重視とは言っても、一度口にした以上は別にいいやって思うところもあるし、「ここの話題は全カット」みたいなことはしないね。
ーまあ、インタビューの場で自分で話したことですしね。KEN そうそう。そもそも文字になったことを想定して話をするからさ。最近はちゃんと伝えたい時期だから、あとから一文を足したり、文章の主語をはっきりさせたり、細かい修正をすることがある。
ーJunさんは前回のインタビューは読んでくれてますか?Jun-Gray Minamiちゃんとやったやつでしょ? さーっとは読んでる。
ーそこでバンドの共通言語の話をしたんですよ。横山さんは「バンドは人生を分け合う行為だ」という話をしていて、Junさんはどう思ってるのかなと。Jun-Gray そのとおりじゃない? だって、生活のほぼほぼ大半がバンドを中心に動いてるわけだから。でも、そう思うようになったのは昔やってたバンドでメジャーデビューしてからとかじゃないかな。
ーいろんな人がバンドに関わってくる以上は、みたいな感覚?Jun-Gray そうそう、自分らだけじゃなくてレコード会社の社員の人だったり、そういう人たちのためにも動いている。
KEN でも、実際はそうなんだけど、若い頃の俺は明確にそうは思ってなかったな。自覚してなかった。で、34、5でこのバンドを作って、JunちゃんとMinamiちゃんが入った辺りからその思考を明確に言語化できるようになった。バンドっていうのは人生をシェアするもので、それぞれの性格や生活とかをよく理解していないと成り立たないって。
ーそれは加入したのがJunさんとMinamiさんだったからっていうところもありますか?KEN やっぱり、人と人って距離感だからそれはあるかもしれないよね。俺にそう思わせてくれたのはJunちゃんとMinamiちゃんかもしれない。結婚したり、子供ができたり、歳取っていったり、人生のステージが変わっていくにつれてそういう感覚を持ってないとバンドは続かなくなるんじゃないのかな。