クリープハイプが語る、無意識に感じ取った世の中のムード、CDが必要だと思った理由

クリープハイプ

クリープハイプの新作EP『だからそれは真実』。フィジカルとしては、メジャー6thアルバム『夜にしがみついて、朝で溶かして』以来1年3カ月ぶりのリリースとなる同EPには2022年に配信リリースした「愛のネタバレ」「本当なんてぶっ飛ばしてよ」を含む全5曲を収録。タイトなバンド・サウンドでガツンと鳴らしたものからアコースティック・ギターによる弾き語りまで、5曲の曲調がそれぞれにばらけたところが、EPならではと思える一方で、EP全体が1つの大きなテーマの下、作られたようにも感じられるところがクリープハイプらしい。

メジャー・デビュー10周年を迎えた2022年に作った曲を1枚にまとめたという意味で、メジャー・デビュー10周年を締めくくる作品と言うこともできるが、全5曲の制作を振り返るメンバー達の言葉から窺えるのは、むしろこれからを見据えた上で新しいことに挑戦していこうという意思だ。

メジャー・デビュー10周年を記念して、幕張メッセ国際展示場(3月11日、12日)と大阪城ホール(3月25日、26日)で全4公演を開催したクリープハイプ史上最大規模のアリーナツアー「本当なんてぶっ飛ばしてよ」の手応えを尋ねると、「強敵に立ち向かいながら、これまで積み上げてきたものをしっかりと見せることができた」という言葉に加え、「10周年という節目よりも今現在のクリープハイプを見せられた意味のほうが大きい」という答えが返ってきた。

『だからそれは真実』とともにこのインタビューからクリープハイプの今を感じ取っていただきたい。

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-いただいた資料にはメジャー・デビュー10周年を締めくくる作品と書かれていたのですが、敢えて言うとしたら、『だからそれは真実』はクリープハイプにとって、どんな位置づけの作品になると考えていますか?

尾崎世界観(Vo, Gt):特に、こだわりはありません。曲を作りながら、出せる時に出したいと考えていただけで、それがたまたまこのタイミングになりました。

-つまり、2022年に行っていた制作を、EPという形にまとめた、と。制作を続ける中で、バンドとしてどんなことを考えていたのか気になるところではあるのですが、2022年9月に配信した「愛のネタバレ」、12月に配信した「本当なんてぶっ飛ばしてよ」も今回、収録されています。その2曲を作った時にはすでにEPをリリースすることは念頭にあったのですか?

尾崎:その2曲を配信した時は、CDを出すことはまだ考えていなかったです。その後、これからのことを考えたとき、何曲かまだレコーディングすることになりそうだったので、シングルでもないし、だからと言ってアルバムでもないし、それならEPとして出してみたいという気持ちになりました。



-なるほど。今回の全5曲、曲調がばらけているにもかかわらず、共通のテーマがあると言うか、このEPそのものが大きなテーマの下、形になった印象があるところがおもしろいと思いました。作っていた曲をEPとしてまとめる時に何かテーマと言えるものはあったのですか?

尾崎:テーマを決めなくても、今言っていただいたように、良くも悪くもなんとなく繋がってしまう面があります。1枚の作品にしたときに、聴き手がそこに意味を見出してくれると思ったので、5曲目に入っている弾き語りの「真実」だけは他の曲に比べて広いテーマと言うか、ちょっと引いて全体を見渡すように歌詞を書きましたが、それ以外は特に考えていませんでした。

-演奏面ではいかがですか? その時できた曲をできた順に完成させていったと思うのですが、その中で曲同士を関連づけるような音作りや音色選びは考えたのでしょうか?

小川幸慈(Gt):いえ。1曲1曲、どういう音やフレーズが合うんだろうかと考えただけで、関連づけるという意識はなかったです。

Rolling Stone Japan 編集部

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