フレデリックが語る、音楽や芸術へのリスペクト、奇妙さを武器に未来へ進む覚悟

ー5曲目「FEB」も、他の楽曲とはまたタイプが違う楽曲ですよね。

元々、自分たちがその季節になった時に思い出せる季節感のあるシーズンソングが欲しいよねって作り始めたんです。曲名の「FEB」はFebruaryで2月のことなんですけど、思い返した時に2月って大きなライブをしたりバンドにとって大事な月で。あと僕と康司が双子というのと、2月生まれで、康司の中で2っていう数字が印象付いてる部分があったんです。そういう思い出を歌詞や曲にしてみたいってところから始まっていて。デモはもう少しバンドのバラードっぽい感じだったんですけど、方向性を変えて作り直しました。ボーカルで言えば、歌のニュアンスも結構変わりました。

ーどういう風にニュアンスが変わったんですか?

デモは音数が多かったりドラムのリズムを基調としていたので、もう少し地声をはっきりさせた歌い方で歌ってたんですけど、リズムや音色が変わったり入れる楽器が少なくなってきたことで、冬のちょっと寂しい感じを表現しようと吐息混じりになったり、地声とファルセットの間ぐらいのニュアンスの歌を歌ってみたりして。サビは地声でしっかり出すみたいな。けど、出しすぎるとちょっと熱くなっちゃうから抑えて。いい感じに歌詞と連動するような歌が歌えたのかなとは思います。

ージャンルの幅が広い中、健司さんが歌う上で大切にしていることは何でしょう?

上手さで言ったら限界があるなと思っているので、自分の中での正解を見つけて、こういうニュアンスで歌ったら、イヤホンで音楽を聴いている人にも届くんじゃないかみたいなことはずっとしていますね。ライブにおいても、お客さんが絶対楽しい方向に行けることを大事にしているので、そのラインみたいなものを自分の中で引いたりしています。それをやると自分の中でいい作品もできますし、1番伝わってほしい人に伝わると思っているので。何より自分が1番成長できるんです。

Rolling Stone Japan 編集部

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