フレデリックが語る、音楽や芸術へのリスペクト、奇妙さを武器に未来へ進む覚悟

ー世の中的にコスパを意識するみたいな風潮の中、「優游涵泳」に込められた「音楽や芸術・学問を学んだり楽しむ」というのは、ある意味カウンターといいますか。そこを表現者として示しておきたかった気持ちはあるんでしょうか?

カウンターというより、大事にしたい部分はそのままでいいよねって思いが1番あって。通して聞ける面白さがあることを、このミニアルバムで康司は一番大事にしていて。イントロやギターソロが飛ばされたりする時代でも、フレデリックの良さって、イントロから面白くできたり引き込める良さがあることで。アルバム1枚にしても色んな曲や世界観がある。そこは康司だけじゃなく、僕も隆児もタケちゃんも同じ気持ちでやりたかったので、今作は特にそれが出ている作品になっていると思います。

ーそういう意味で、3曲目の「虜」はソウル、ファンク、ディスコ的なアプローチが気持ちいい曲ですよね。

康司が作ってくる楽曲自体、色んな音楽へのリスペクトがあって。「虜」に関しては、パーラメントとかファンカデリックみたいなPファンクの音楽の影響と、そこへのリスペクトを持って作っていったんです。色んな世界観を持っているけど、音楽へのリスペクトを絶対に忘れないで作っている部分はありますね。自分たちが思うファンクだったり、どういうニュアンスでやったらそれが出るのかをそれぞれ考えて、最終的にどんどん頭おかしくなっていくみたいなアレンジになっていって。ギターの隆児がファズで、最後に痺れるくらいでかいソロを入れていて。途中からもっと変な感じにしていきたいってことでスピーカーから煙が出ている感じにしたいって。リスペクトがありつつ、個性や面白さ、変さを足していった曲になっています。

ー4曲目「midnight creative drive」はツアー中に作られたっていうことですが、車で移動している最中に、みんなで話していてできたのかななんて思う曲でした。

このEP自体、去年9月から行っていた全国ツアーで毎週全国各地に行っている中で作り始めていて。深夜のドライブが結構多かったんですよ。そんな中、ふとしたタイミングで、ドライブしている気持ちを曲に変えれないかと作った曲だと言っていました。この曲は特にテーマの旅という部分が1番伝わりやすいし、それこそ深夜のドライブで聴いたらより入り込めるんじゃないかなって思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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