フレデリックが語る、音楽や芸術へのリスペクト、奇妙さを武器に未来へ進む覚悟

ー1、2曲目の「MYSTERY JOURNEY」と「スパークルダンサー」に関しては、タイアップソングであったり主題歌だったりってところでどういうアプローチで作られたんでしょう。

康司が旅をテーマにしたミニアルバムを作りたいっていう前に、自分たちが旅で見た景色を曲にしたくて。コロナ禍でライブハウスに行けなかったり、ライブができるかわからない時期もあった中、音楽をないがしろにされている時期も音楽の大事さを伝える曲を作ったり、自分たちが見てきたリアルを曲にすることをすごく大事にしてきたんです。実際、その土地に行かないと分からないことが沢山あったので、それを曲にしました。この曲に関しては、MCでよく「フレデリックの今までやってきたことと、これからやっていくことのために作りました」って言っていて。本当にこのタイミングで作れてよかった曲だなと思っています。



ー旅の前に「MYSTERY」がつくのには、どういう理由があるんでしょう。

元々「Journey」で考えていたんですけど、まっすぐすぎるなって(笑)。あと、自分たちは2009年に結成して、2014年にメジャーデビューしてもう9年経つんですけど、中堅というか後輩も増えてきて。2022年に入ってから、自分たちがどういう目標を選んで、どういうバンドになっていきたいかよく話すようになったんですよ。30代で落ち着くのが俺らは絶対に向いてないというか、当たり前の未来に行くのは面白くないって話をして、30代でアリーナツアーを目指そうぜって。1番分かりやすくちゃんと目標を立てようって話がどんどん進んでいって。そこで、どういう人に来てもらいたいっていう話をしていたときに、いろんな人の思い出だったり心に届くようなバンドになって、自分たちが行ったことない新しい形で大きくなっていくのか、今までのフレデリックの毒のある奇妙な感じをでかくしてアリーナにいくのかって話をしたら、後者だったんですよ。やっぱ面白いバンドでありたいよねって。

ーバンドの方向性自体を大きく変えるかどうかという視点もあったんですね。

新しいところに行く面白さもあるけど、今までやってきたことを積み上げてフレデリックにしか作れない曲ででかくなろうよって。そういう人たちがアリーナでツアーをやったらおもろいよねって話をして。そこからフレデリックらしい楽曲を作っていこうってマインドセットになって、「MYSTERY JOURNEY」で旅をテーマにしていきました。もっと奇妙さというか、フレデリックだったらどうアレンジするんやろっていうのを考え直して作っていったんです。途中から出てくるギターの奇妙なパートだったり、最初すごい奇妙なSEから入ってくるところも増えていって、これは「MYSTERY JOURNEY」だねって変わっていきましたね。

Rolling Stone Japan 編集部

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