モー娘。小田さくらと櫻井梨央が語る、努力・未来・A BEAUTIFUL STAR

「そうだ!We're ALIVE」とチェンソーマン

—ライブのオープニングは「そうだ!We're ALIVE」「恋愛レボリューション21」だったし、結成25周年を振り返るいいセトリになりましたよね。

小田:2022年は「KICK BACK」(米津玄師)もあったり(註:同曲では「そうだ!We’re ALIVE」の歌詞をサンプリングしている)。すごくいい年だなって思いました。

—前からRSJのインタビューではよく話してるモーニング娘。のサブスクが、『チェンソーマン』OAの時にあれば……。

小田:そうなんですよ。私たちが「KICK BACK」の存在を知る前から、あのセットリストは決まってて。絶対つんく♂さんが意識したなって思ったよね。

櫻井:思いました。

小田:つんく♂さんは(歌詞を使われることを)知ってたわけじゃないですか。だから1曲目に急に入ってきたんだなって、そういうことかと思いました。私たちも世間にあの曲が出てから知ったんですけど。なるほどねって感じだったよね。

櫻井:思いました。伏線。

小田:そういうグループにいられてうれしいです。「そうだ!We're ALIVE」の“努力 未来 A BEAUTIFUL STAR”って歌詞って特定の時代を感じないじゃないですか。いつの時代に引っ張ってきても、人の心に残るワードたちだと思うので。つんく♂さんらしいなって思います。20年前の曲でメロディとかほぼそのまんまだけど、現代に合わないわけでもない。凄いですよね。

—原作のマンガの85話のタイトルも「超跳腸・胃胃肝血(ちょうちょうちょう・いいかんぢ)」ですからね。これは「恋愛レボリューション21」の歌詞ですよね。“超超超 いい感じ”。

小田:はい(笑)。読んでて「あ!」って思いました。

—サンプリングもそうだけど、そうやって形を変えながら継承されていくのはまさにグループのあり方と同じですよね。

小田:ぴったりですよね。

—「Happy birthday to Me!」と「Swing Swing Paradise」の2曲の話も聞かせてください。加賀さん在籍時の最後の曲で武道館でも披露してましたが、すごくライブ映えする曲だなと思いました。

小田:デジタルスウィングなのがうれしかったです。そもそも私自身スウィングが好きで。シャッフルのリズムの曲はあったとはいえ、“これぞ、ザ・スウィング”みたいな曲はなかったんですよね。しばらくアルバムにも入ってないと思います。「Mr.Moonlight 〜愛のビックバンド〜」でがっつりスウィングをやっていましたけど、2002年リリースで約20年前の曲で、その後に出た「セクシーキャットの演説」(2019年)もそういう雰囲気でしたけど、ジャズっぽかったんです。今回はデジタルなスウィングって感じですよね。

—つんく♂さんのライナーノーツを見てても思いましたが、スウィングの華々しさだけじゃない複雑さがある曲ですよね。アイドルポップな曲なのに、そんなテーマが背景にあるんだって。

小田:作曲した人が楽しんでつくったっていうのが、一番うれしいです。自分が歌う曲じゃないのに。最後にAメロが足されたのも、急だったんだよね。

櫻井:すごい急でしたね。

小田:もう振りもついて、コンサートで披露することも決まった後、突然決まったんです。なんで今なんだろう?みたいな。でもライナーノーツを読んで、こうやって楽しんでつくってくださってるなら、もう何でもやりますって思いました。


小田さくら(Photo by  Rika Tomomatsu)

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