佐橋佳幸と亀田誠治が語る、稀代の編曲家・大村雅朗のアレンジ



流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。佐橋さんと亀田さん。佐橋さんが1961年生まれ、亀田さんが1964年生まれなんですね。場所も時代も違って、でも同じ音楽に接触していた。感じ方とか受け止め方がそれぞれ違っていた。でもこんなふうに同じ音楽に関わっていることがおわかりいただけたんではないかなと思ったりしております。

音楽をどう語り継ぐかは一つポイントがありまして、その時代にはわからなかったことが、時間が経っていろんな形で明らかになって、そのことが次の人たちに受け継がれていく。これが面白いところでしょうね。日本のポップミュージックはそういう段階に差し掛かっている。

先週も先々週も思ったんですけど、当時リアルタイムで、この曲が大村さんの編曲だと意識して聞いてなかったなと思う場面がたくさんありました。石川鉄男さんも当時そんなふうに思ってなかったとおっしゃっていたので、ちょっとほっとしたりもしたんですけど、やっぱり編曲家という表に出てこない存在がどれほど大きな役割を果たしていたのか。そのことを一番わかっているのがミュージシャンなんですよ。プレイする人。実際に自分が出している音がどんなふうに作られていて、どんなふうに楽譜に残されていて、そこにどういう指示がされていたのか。それは彼らがやっぱり一番体験している。そのすごさも素晴らしさも知っているわけで、編曲家の再評価がミュージシャン中心になって動いてきているのは極めて自然なことで、ありがたいことだなって改めて思ったりしています。メディアにいる人間、ジャーナリストとして呼ばれている人たちがやらなければいけないんですが、当時はそんなに聴いていなかったなと改めて自戒しながら、ミュージシャンの人たちに感謝しながら年末を迎えようとしております。ライブは2月の10日大阪フェスティバルホールです。



<イベント情報>



大村雅朗 25th Memorial Super Live ~tribute to Masaaki Omura~
2023年2月10日(金)フェスティバルホール(大阪府)
時間:開場 17:30 / 開演 18:30
出演:大澤誉志幸 / ばんばひろふみ / 槇原敬之 / 南佳孝 / 八神純子 / 渡辺美里 / B・T・S(Baku-san Tribute Session)BAND / 佐橋佳幸(音楽監督、g) / 亀田誠治(音楽監督、b) / 山木秀夫(ds) / 今剛(g) / 石川鉄男(Mp) / 斎藤有太(key) / 山本拓夫(sax) [ゲスト]松本隆(トークゲスト) [DJ]砂原良徳(GUEST DJ)

https://omuramasaaki-25th.jp/


<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210

OFFICIAL WEBSITE : https://cocolo.jp/
OFFICIAL Twitter :@fmcocolo765
OFFICIAL Facebook : @FMCOCOLO
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cocolo.jp/i/radiko

Rolling Stone Japan 編集部

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