RIP SLYMEが語る、5作連続リリースの裏側、活動再開後の日常

新生RIP SLYMEの楽しみ方

―5曲はすでにフェスで披露していますが、どんな反応が返ってきますか?

RYO-Z 「Rightnow!」は、この前、KEN THE 390主催の「CITY GARDEN -超ライブフェスティバル-」で歌ったんですけど、ヴァイブスがバチバチに伝わったと思いました。ただ、俺が歌詞を間違えたのが悔やまれます。

ILMARI 確かにRYO-Zくんが歌詞飛んじゃったけど、「Rightnow!」は「箔が付くな、この曲」って思いましたね。

―新体制でのライブにはどんな手応えを感じていますか?

ILMARI WISEは慣れてるっていうのもあるんですけど、えみちゃんもすんなりラップパートをやってくれていて、ライブは割と評判がいいですね。



―お客さんの顔ぶれはどうですか? 世代交代もありますか?

ILMARI 基本フェスは、ファンが来ているというより、いろんな人たちがいるから。初見の人たちもいっぱいいると思うけど、盛り上がってくれますね。

―FUMIYAはサウンド作りの司令塔として現体制のライブをどう感じていますか?

FUMIYA 面白いですね。旧譜もやるので。

RYO-Z 新曲を2〜3曲。あとは旧譜みたいなバランスが多いんです。

―今、旧譜で必ずと言っていいほどパフォーマンスする楽曲は?

ILMARI 「楽園ベイベー」のRemix。これまでにライブだけでやっていたバージョンがあるんです。それと「JUMP」「熱帯夜」「JOINT」ですね。

FUMIYA フェス仕様ですから。そこに新曲を混ぜていく構成。

―新曲もちゃんと馴染んでいる印象ですか?

FUMIYA 馴染みますね。それはたぶんWISEとえみちゃんがいるから。うまく混じる。

―旧譜と新曲が馴染んでいるということは、過去のRIP SLYMEの曲をリファレンスにして新曲を作っているところもあるんじゃないでしょうか。

FUMIYA そうだと思います。3人になってもリップでしょ?って。リップはリップなんだよって安心して欲しい気持ちがあったんです。だからこそ、これまでにやってきた曲の作り方をそこまで変えずに作ったんです。いきなり突拍子もない新しいことをやるんじゃないっていう。

―急にニューヨークドリルをやったりとか(笑)。

FUMIYA ボーカルの無いテクノになっちゃったとか(笑)。そういうんじゃなくて、これまでのRIP SLYMEの流れを汲んだ音作り。今回の5曲はそういう意識で作っていたから。ただ、今後は音楽的にちょっと新しいことに挑戦したいと思いますね。

―新体制で2MCになったことで作詞作業にはどのような変化がありますか? これまではテーマを決めて4者4様に書いたモノを持ち寄るスタイルが多かったと思います

ILMARI そこは休止期間にミーティングして、誰か一人が軸を決めて書いてもいいじゃん、という話になったんです。過去の曲を聴くと、言ってることがバラバラだったりして、それはそれで面白かったりするんですけど、1曲通してどういう曲かっていうのがわかりづらかった部分もあったので。今は誰か一人が書くというやり方でもいいし、僕らの中ではフレッシュなやり方だと思ってます。

ー他人の言葉やフロウで書かれたリリックは歌いづらい、みたいなことは?

RYO-Z 僕のピッチに合わせて書いてるから、ILMARIは合わせるのが大変だったりするけど、逆にILMARIがざっと書いてるデモもたくさんあって。確かに難しい。でも、自分でアレンジして良しということにしているので。

ILMARI 今回の5作に関しては、RIP SLYMEでそういう作り方をしてみようということでデモを作ってきたから、ここまではそれでいいと思ってます。今後は、これを踏まえて、またちょっと違うやり方をしてみるのも面白いのかなって。以前のように、自分のパートは自分で書いてくるんだけど、内容はしっかり決めてお互いに寄せていくとか。以前はテーマどころか、タイトルだけ決めて各々の解釈で持ち寄るということもあったので。

FUMIYA それでサビで辻褄を合わせるっていう。

ILMARI それをアルバム10枚、さんざんやってきたんで。以前、いしわたり淳治くんと「気持ちいい for Men」を作ったときにみんなで1曲を作って良かったんですよ。最近はK-POPとか作詞作曲に何人もクレジットされてるじゃないですか。だから、誰がどこそこを書いたというよりは、良いものをつくるというところに重点を置いて、完成形のクオリティをめざす。俺たちの時代のヒップホップは自分のところは自分で書いて自分アピールっていうのが基本だったけど、そうじゃないやり方をトライするのもアリだなと思ってます。

―ラップの声が2つになったことは、トラックメイクの観点からどう受け止めていますか?

FUMIYA 単純に薄くなっているんで、声の積み方を工夫してます。でも、「Human Nature」は2本しかないんですよ。トラックもシンプルだったんで、逆にシンプルなままで通してる。ライブをやるかのように、一回、素の3人を出しちゃえ!っていうところもあったんです。声が減ったことでフィーチャリングを選ぶ楽しさもありますし、5人のときとは違った曲作りができて新鮮ですね。「Rightnow!」はWISEにコーラスを歌ってもらったんですけど、やっぱり今までと違う。聞こえ方として新しいんですよ。

RYO-Z 5年前までだったら想像の範囲内だったコーラスのデザインが全然違うものになってるんです。俺がすごい高音域に積まれていて、「ん? 聞いたことない感じだ」って(笑)。俺の声、ファルセットみたいになってるけど、これはこれで面白いぞって。

FUMIYA 細かい部分だけど、そういう違いも新生RIP SLYMEの楽しみ方なんだと思います。

―2022年は5作品リリースで駆け抜けましたが、2023年はどんな活動をしていきたいですか?

RYO-Z その辺は、一度、ゆっくり話したいですね(笑)。

FUMIYA 遅っせ(笑)。

ILMARI とにかくこの5曲に必死だったし、TERIYAKI BOYZ®もあったし、本当、駆け抜けた感じなんですよ。ライブは3人+2人サポートという体制でやれることが掴めたので、この先、何をしていこうかっていうのは今後ゆっくり考えます(笑)。

FUMIYA でも、曲は作りたいですね。

―FUMIYAは、すでに新曲制作に入ってるんですか?

FUMIYA いつリリースするかは別にして、新しいトラックは作ってます。ストックもあるし。

RYO-Z 何十回このデモに向き合ってるんだ?っていう曲もあるよね。メロディーとトラックはあるんだけど、歌詞が永遠とハマらないとか。

ーそうこうしてるうちに、FUMIYAがそのトラックに飽きて来ちゃったり?

FUMIYA 飽きるというか、いろいろやって形が変わりすぎちゃって、どれが最新形なのかわからなくなってきちゃうんです。あと、作ってから時間が空くとどうしても新しいモノを作りたくなる。だから、曲は常に作っていきたいし、今後ワンマンもやりたいです。

RYO-Z うん。ワンマンやりたいですね。

ILMARI 5年前は日本武道館やってましたから。

<INFORMATION>
Spotify Music+Talkにて、メンバー解説付き楽曲視聴コンテンツを配信中
https://open.spotify.com/episode/38vcjylEjbnAIMde0rGcY8

「Rightnow! (feat. SAMI-T)」
https://linkco.re/umECBUs8

「サヨナラSunset (feat.おかもとえみ)」
https://linkco.re/vhder72U

「After the rain (feat. Amiide)」
https://linkco.re/Hgv4XC2M

「Gentleman」
https://linkco.re/U5G7P7Gq

「Human Nature」
https://linkco.re/e5QPyy26

RIP SLYME 公式YouTubeチャンネル
「リップチャンネル」

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