RIP SLYMEが語る、5作連続リリースの裏側、活動再開後の日常

「After the rain (feat. Amiide)」について

―話題を変えましょう。続く「After the rain (feat. Amiide)」はトラック、テーマ、ゲスト、どれを先行で作っていったんですか?

FUMIYA トラックです。

RYO-Z 同時にキャスティングも動いてました。

FUMIYA 俺が「povo」のCM(「povo、登場」篇)でAmiideちゃんと一緒に仕事をしたんです。そのあとにこのトラックができて、テンポ感も全体的な雰囲気もAmiideちゃんに合うんじゃないかということで、そこから始まりました。ちょっと可愛らしいトラックだったから。

―トラックはどのようなイメージで作ったんですか?

FUMIYA RIP SLYMEの「STEPPER’S DELIGHT」を意識しました。ああいう倍テンにはなってないですけど、「STEPPER’S DELIGHT」の半分のテンポ感で、ほがらかでっていう。



―歌詞のテーマは、「やまない雨はない」という感じでしょうか。

RYO-Z そうです。Amiideちゃんと実際に会ってテーマも一緒に考えましょうということで打ち合わせをすることにしたんです。その日、僕はミーティングの場所までバスで向かったんですけど、前日が嵐のような雨だったんです。でも、朝起きたら晴れててすげえ気持ちよくて。会ってそんな世間話をしたんですよ。そしたら、Amiideちゃんが「いいですね。After the stormみたいな感じですか?」って。うわ、英語でズバッと来たなと思って。

―英語に弱いのか(笑)。

RYO-Z 英語で言われると、大体かっこいいと思っちゃう(笑)。バイリンガルの子はやっぱり違うなって。そこからあれよあれよという間に、そのテーマで進めることになったんです。Amiideちゃんはゴリゴリにラップしていく方なんで、爽やかになりすぎない感じもいいなと思ってサクッと決まったんですよね。

ILMARI ちょうど梅雨の時期だったんですよね。だから、梅雨明けが楽しみになるような曲がいいんじゃないかなと思って。ジメジメしてるときに聴いて夏を待つ、みたいなのがいいなと思ってたんですよ。そしたら、むちゃくちゃ梅雨が短かったっていう(笑)。

RYO-Z 今年は記録的な短さだったから(笑)。

―Amiideさんは歌もラップも両方こなします。当初からフックもお願いしようと考えていたんですか?

RYO-Z そこまで考えてなかったんですけど、すぐにイメージを掴んでくれてメロディーのアイデアを送ってくれたんです。それを聴いたときに「いいじゃん、これ」と。じゃあ、これを活かしたラップをお願いしようとなりました。

―歪んだギターのサウンドが嵐の感じを出していますが、ラップを録ったあとにトラックを作り直すこともしているんですか?

FUMIYA 毎回、基本的にやります。「After the rain」はふわふわした終わり方にしてるんですけど、あの音はラップができてから作りました。あと間奏部分のブレイクのところとか。

―急にブルースハープみたいな音が入ってくるところ。

FUMIYA あれはレコードから録ったんです。ハープの音だけが入ってるレコードからスクラッチで入れてたんです。

―え!? あれ、サンプリングなんですか? 手が込んでる!

FUMIYA そうなんですよ。誰かに吹いてもらったんじゃないんです。

―つまり、嵐の後に晴れというコンセプトに合わせて音を変えていったと。

FUMIYA 曇りになったり晴れになったりっていうのを繰り返しる感じ。最後は明るくなってっていうイメージで作りました。

―サウンドにそういう物語性を感じたんですよね。

RYO-Z 物語といえば、この曲にはエピソードがあって。茨城で「LuckyFM Green Festival ’22」に出たときにものすごい嵐がきて、一回イベントが中断したんです。嵐がやんで、僕たちが出て行ったんですけど、そのライブでこの曲を初披露だったから、すごいハマったなと思って。

―持ってますね(笑)。

RYO-Z 「ぴったりの曲を持ってきましたー!」とか言って(笑)。しかも、その後、また土砂降りになって、そこからの出番の人たちは半端なく大変だったんですよ。運も味方にしました(笑)。

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