「サヨナラSunset (feat.おかもとえみ)」について
―続いては、第四弾「サヨナラSunset (feat.おかもとえみ)」の話を。冒頭でこの辺りから曲のストックがなくなってきたと話していましたが、どのように作っていったんですか?
ILMARI トラックだけは先にあったんです。ただ、テーマがなかなか決まらなくて。
RYO-Z ざっくりと「アジアな夜」みたいなイメージだけがあって。
ILMARI テーマはいろいろ出していた記憶があるけど、なかなかはまらなくて。どうして最後に「サヨナラSunset」に落ち着いたんだろ?
RYO-Z リリース日が決まったときに、夏だから、夏の終わりの曲みたいになったらいいんじゃない?ってことになったんだと思う。トラックにそういう寂寥感もあるしって。そこから歌詞の方向性が見えてきて、さらにえみちゃんも入るからっていうことで、どんどん決まっていったんです。
ーおかもとえみさんを迎えることにした理由は?
ILMARI えみちゃんはライブにサポートで入ってもらっていたから一緒に歌う新曲があってもいいだろうと。FUMIYAがそう話してたんです。
FUMIYA ライブで一緒に回ってるわけだし、えみちゃんと作ってみたいなとずっと思ってて。
RYO-Z 僕は以前に、Osteoleucoというユニットで、えみちゃんと曲もやっていたので(「MANTLE feat. RYO-Z & おかもとえみ」)。歌声がすごくいいと思っていたので、バチバチにハマるんじゃないかと思ってたんです。
―とにかくサビが素晴らしい曲ですよね。あのメロディはFUMIYAが作ったんですか?
FUMIYA そうです。トラックの段階からあのメロディは入ってた。
ILMARI そこに何をはめようか?っていうところで、フィーチャリングも考えていたんです。そこにえみちゃんがバッチリはまった。このメロはいいなって最初から思ってました。
―もともとトラックはどんなイメージで作ったんですか?
FUMIYA ミドルテンポで、ハウスまでも行かず、ソウルミュージックとかの感じ。あと、リフで引っ張る曲を作りたかったんです。 たとえばABBAの「Gimme! Gimme! Gimme!」とか。リフで思いっきり印象に残る曲っていうところから始めて行ったんです。
―歌モノを作ろうという意識は?
FUMIYA サビは歌メロが欲しいと思ってました。そういう曲はまだ再始動のRIP SLYMEでやってなかったから。
―歌詞はどのように書き進めたんですか?
RYO-Z サビを作るところから始めました。えみちゃんが書いてくれた叩きに3人でアイデアを出していって。ヴァースは僕が叩きを書いていて、えみちゃんのパートも僕が書いてます。それをそのままえみちゃんがやってくれたんです。しかも、しっかりラップができちゃうっていう。一発で決めてくれました。
―夏の恋の幻想を描いた切ない物語ですね。
RYO-Z 以前、ライブでアジアに行ったときに、現地でパーティーがあって、そのときにフロアで知り合った女の子との体験談がベースになってるんです。別にどうこうあったわけじゃないし、さよならするんだけど、その切ない感じが軸になってる。
FUMIYA カーキのジャケットとか出てくるけど?
RYO-Z もう、まんまです。本当にカーキのジャケットを着てる女の子だったから(笑)。夏の終わりの歌にしたいっていうことと、最初のアジアというイメージが、そこでガッチャンコしたんですよね。そのイメージを崩さないよう歌詞を書いていきました。