甲本ヒロトが語る成功の考え方、さかなクンとの交流からアントニオ猪木への想い

―アルバムには前半からリズムが強烈な爆裂ナンバーが並んでますけど、今回はヒロトさんの曲が7曲で真島さんは5曲ですね。いつも半分ずつですけど、今回は何か理由があるんですか?

途中までは6曲ずつで行ってて、僕は「イノチノマーチ」をアルバムから外してたんです。あれはさかなクンの番組にピッタリだから、最初はシングルで出すつもりもなくてシングルのカップリング曲にしたらお客さんは「あ、ここで聴けるんだ」って喜ぶぞって思ってたんですよね。だけど6曲ずつあったのが、なんだかんだでマーシーが「俺、この曲やめようかな」って、まあ話せば長くなることが色々あったんですよ(笑)。それで「俺、今回5曲ね」って言うから、「ええっそうなの!? 1曲足りないじゃん。じゃあ「イノチノマーチ」入れるしかない」ってそこに差し込んで、「じゃあシングルもこれにする?」っていう流れがあってそっちに行った。流れっていうのは乗った方が良くて、今回乗ったらこうなりました。

―「イノチノマーチ」はシングルがステレオMIX、アルバムはモノラルMIXが収録になってますね。

僕は「イノチノマーチ」をカップリングとして用意してたから、カップリング曲が足りなくなって、じゃあ「さぼりたい」をステレオMIXでやったら面白いんじゃないかっていうことで、どうせなら2曲ともステレオMIXを作って、これでシングルとアルバムを両方買ってもらおうという魂胆です(笑)

(笑)。そういう流れがあったんですね。

そう。だから、今となってはいかにもタイアップを付けたシングル盤に見えるけど、じつは全然違うんですよ。

―なるほど、それはお話を訊かないとわからないことでした。今回通して聴いていて思ったんですけど、後半にマイナー調で緊張感のある曲が集まってますよね。「もうすぐだぞ! 野犬!」以降は、楽しいですけどシリアスなムードにも聴こえます。

ああ~、マイナーコードをよく使っているかもしれない。でも後半に集まっているというのは初めて気が付いた。確かにそうだね。自然な流れでこれが良いと思って並べたので、そういう風に分析はしてなかったです。

―「さぼりたい」「心配停止ブギウギ」という、どちらも真島さんの曲で終わりますが、〈心配するのは もうやめた〉という内容を心肺停止にかけて歌うというのが面白いです。

ははははは(笑)。「さぼりたい」も、名曲だと思う。



―アルバムタイトルの『MOUNTAIN BANANA』は曲名にも歌詞にも出てこないですよね。

いつもそうです、曲とは関係ないです。僕たちはアルバムという作品を作るということはしないんです。アルバム用に作ったり持ってきた曲じゃなくて、曲はただそこにあるんです。それで録音して発表するときに、まとめて12曲入りのものをボンと出すんですよ。それにタイトルを付けるのは大変なんですよ。

―どこから出てきた言葉なんですか?

どこからも出てきてないです。メンバーの中で適当な言葉を言うんですよ。それが採用になる。

―じゃあ誰が言った言葉かも覚えていない?

覚えてるけど、それは言わない(笑)。誰でもいいし、なんでもいいし。


あああ

Rolling Stone Japan 編集部

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