甲本ヒロトが語る成功の考え方、さかなクンとの交流からアントニオ猪木への想い

―ヒロトさんが小さい頃に好きでやっていたことで、周りの人に応援してもらったり反対されたりした覚えはありますか。

「ロックバンドをやる」って言ったら親から大反対されましたよ。だけど今思えば、僕の言い方が良くなかったんだと思う。あまりにも無謀なことだったから今なら納得できるし、僕がレコードを聴くことを止められなくて良かった。「うるさい」とは言われたけど、「聴くな」とは言われなかったから。

―「言い方が良くなかった」というのはどういうことですか?

バンド経験もなかったし、ギターを持ったこともなかったし、何もやったことがなかったんですけど、中学3年のときに突然「日本の法律では義務教育は中学までですよね? 中学を卒業したら僕は家を出て1人で東京に出てバンドをやるから。仕送りもいらない」って言ったんです。そうしたら親が「バンドをやるって言ったっておまえ、やったことあるのか? ギター弾いたことあるのか? 歌作れるのか? 歌ったことあるのか?」って。僕は「全部ないよ。でもやるから。中学卒業したら東京行きます」って言ったら大反対された(笑)

―何を言ってるんだと。

そう。「おまえ、言ってることがおかしいよ。行ってどうすんだ?」って言われたから、「なんとでもなるよ。駅のホームで寝りゃあいいんだろ」って。

―歌もギターも練習するから、とは言わなかったんですか。

言わない。「できるのか?」って言うから、「できる。日本一になる」って言った。自分でもよくわからなかったけど、ただ確信があったんです。最終的には、大学に行くって受験して上京して、大学にはすぐに行かなくなった。僕は大学に行かなくなるのはわかってたから、学費は全部自分でバイトして出すから、入学金も返すから貸しといてくれって。それで実際入学金も返せたし、学費も全部自分で払うようにして。結局、払えないから大学は除籍になったんですけどね。



―その頃、下北沢の中華料理店「珉亭」でアルバイトしていたわけですね。

そうそう。結構何年間もやってたよ。(当時)あそこは日雇いだったんです。だから、前日の夜に電話して、「あの~、金ないから行ってもいいですか?」って言うと、「おお、何時でも良いからこいよ!」って言われて、適当な時間に行って皿洗いとかしてると、ポケットにお札が入ってるんです。「今日の分だよ」って、何千円か入ってる。それで、次の日からずっと行かなくたっていい。

―それでしばらくしてお金がなくなると、また行って働くんですか?

そう、だからバンドマンとか役者が集まってた。


あああ

Rolling Stone Japan 編集部

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