三浦光紀が語る、ベルウッド・レコード創立の裏側とニューミュージックの真意



三浦:当時僕の同期の北沢さんという方がアイランド担当だったんです。その中にフェアポート・コンヴェンションがあって、しょっちゅう聴いてたんですよ。それがあってこの曲に繋がっていく。完全にフェアポートを意識してやってたやつですね、パクッたっていうかね。

田家:あがたさんもそれはご存知なんですか?

三浦:もちろん。あがたさんとか慶一さんたちがやったわけですから。

田家:なるほどね。このアルバムではサーカスの「美しき天然」が流れたりするそうです。その辺はどんなふうにお感じになったんでしょう。

三浦:その頃、アメリカでもいろいろなミュージシャンが出てきて、古きアメリカの曲をベースにしてやっているのがバーバンク・サウンドって言われるじゃないですか。日本の古い曲にそういう新しさを感じるのが、あがたさんと矢野顕子さんだと思うんですよね。だから全くそれと同じ手法だなと思って見てました。まあ、古き良きかどうか分からないけど日本の古い音楽をベースにして新しいものを作っていく。要するにゴダールがアーカイブは未来を語るみたいなことを言っているんですけど、それに近いんじゃないかなと。

田家:なるほどね。いわゆる日本の中の単なるノスタルジーじゃなかったということですね。あがたさんは先日50周年のコンサートを渋谷公会堂で行われました。

三浦:「赤色エレジー」も歌ったんですけど、一番良かったですね。すごいかっこよかった。やっぱりあがたさんも進化してるんですよね。歌も上手くなってるし、音楽もすごく進化してるなと思って見てました。

田家:さっきの三浦さんのお宅に居候してたという話はこの後も何度も出てくると思います。続いて、1972年4月「赤色エレジー」と同時発売になったシングルが2枚ありました。そのうちの1枚がこれです。友部正人の「一本道」 。

Rolling Stone Japan 編集部

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