矢沢永吉が12万人のファンを熱狂させた国立競技場2DAYS、MISIAに加えB’zとの共演も

2日目 8月28日(日)

2日目は初日より気温が低く、開演前からほどよい風が吹いていた。開演前にはスタンドでウェーブが自然発生して、主役の登場前からハイテンションな空気に包まれていた。オープニングで「Are You Ready!?」と映像が煽り、炎が何度も上がる派手な演出で矢沢が登場。衣装のコートを脱ぎサングラスを外すと若々しいTシャツ姿でライブをスタートさせた。

「昨日は暑かった! ステージ上は40℃ぐらいあったんじゃないかな? でも倒れてなるものかって。そしたら今日、10℃も下がって、最高じゃん! 今から2時間、一緒に最後まで、行って行って行って行って、よろしく!」

広いステージを縦横無尽に動き回りシャウトする姿は、長年日本全国を年間100本以上のツアーで回り、可能な限り生の音楽を伝えるという、矢沢のライブへ臨む姿勢が50年経ってもブレていないことを感じさせた。

序盤で数曲を披露した後、ギター1本を抱えてステージに登場した矢沢は、ソロデビュー曲「I LOVE YOU, OK」を弾き語りで披露した。ピンスポットを浴びて歌う矢沢の姿を、背後のスクリーンがモノクロの映像で映し出す。サックスが加わって終わる余韻も素晴らしい名演だった。小気味いいリズムと爽やかなメロディが際立つ「YES MY LOVE」は夏にぴったりな楽曲で、夜が更けて風が吹き抜ける国立競技場に心地よく響いた。緩急織り交ぜたセットリストは、激しい曲もメロウな曲も、矢沢のメロディメーカーとしての才能を改めて知ることができるものだった。「YES MY LOVE」をサブステージで歌い終わるとメインステージへのスロープを戻る途中に、「この坂、結構キツいんだよ(笑)」と呟いて和ませる。言葉とは裏腹な余裕のステージングが続く。



「50年、歌えると思ってなかったね。音楽以外にも、なんか俺に出来ることがあるんじゃないかと思って、いろいろトライしたんですけど、結局ダメだったね。でも、ダメでいいんだよね。なんでもいいから1つもらえたかなと思ったら、こんな感謝はないなと最近はつくづく思います。昨日も同じこと言ったんだけど、コロナには絶対負けねえぞって。新聞を見ても、本当に毎日いろいろあります。でも、ほんのちょっと良いことがあれば、また頑張れるよ。みなさん頑張っていきましょう」と泣かせるひと言も。

Rolling Stone Japan 編集部

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