スネイル・メイル×J・マスキス(ダイナソーJr) フジロックで実現した夢のオルタナ対談

左からリンジー・ジョーダン、J・マスシス(Photo by Kazma Kobayashi)

 
スネイル・メイル(Snail Mail)とJ・マスキス(Dinosaur Jr.)、フジロック2日目に登場した二人による夢のオルタナ対談が実現。熱狂のパフォーマンスを見せた両者が、苗場での初顔合わせで大いに語り合った。

【写真を見る】スネイル・メイル×J・マスキス 撮り下ろしフォトギャラリー

「ダイナソーJrのJ・マスキスと、スネイル・メイルの対談企画があるんですけど……」と編集部から声をかけてもらった時、それ対談になるんでしょうか?と心配の方が大きかった。30年以上にわたりオルタナ・ギター・ゴッドの名をほしいままにするJは超絶シャイ(過去何度か取材立ち合い経験あり)。そのJとは30歳以上年齢差のあるスネイル・メイルことリンジー・ジョーダン。現在23歳のリンジーは10代半ばから音楽活動をスタート、16歳で発表したEP『Habit』がニューヨーク・タイムズなどのメディアで称賛され、2018年、名門インディのマタドールからデビュー作『Lush』をリリース。エレキギターを片手に、10代の心情をストレートに歌う姿は世代を超えた共感を勝ち取った。2021年発表の2nd『Valentine』では、同性愛者であることをカミングアウトしている彼女が体験した大失恋を主題に赤裸々な歌を聴かせている。

そんなふたりによる対談、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインが大好きなリンジーにとっては、ケヴィン・シールズが敬愛してやまないJとの初対面ということにもなるわけで、もちろん共通で話せる話題は多々あろうが、短い時間でどこまでいけるのか……という不安を抱えたままその日はやってきた。しかも両者のスケジュールの都合で取材時間は二転三転。それでも、最初に現場に現れたリンジーの天真爛漫な笑顔を見て「このノリで行けばJも気持ちよく話ができるんじゃないか」と思ったのだが……やはりスタートしてしばらくは、筆者含めそこにいたすべての人が手さぐり状態。そんな緊張感と、次第にふたりの口が滑らかになっていく安堵感も味わって頂きたく(苦笑)、ほぼノー・カットでお届けする。Jとリンジーが語る、LGBTQ、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、ギター・ゴッド、フェンダー、ライブMC克服法……お楽しみください。


Photo by Kazma Kobayashi


Photo by Kazma Kobayashi

―今日は基本的に対談という形なんですけれど、まずリンジーからJに、この機会に聞きたいと思っていたことはありますか?

リンジー(以下L):それは難しい質問だなあ……。

―おふたりは初対面ですよね?

リンジー&J・マスキス:そう。

―リンジーは、いつ頃からダイナソーJr.を聴いていたんですか?

リンジー:15歳くらいだと思う。

―ダイナソーで好きな曲は何ですか?

リンジー:「Start Choppin’」かな。いつも頭の中で響いている。ダイナソーの曲で、初めて聴いた曲かもしれない。だから一番印象に残っているのかも。



―Jは、スネイル・メイルの音楽を聴いたことはありますか?

J:あるよ。

―どう思いました?

J:………(本人を前に言いづらいよ風な笑顔)

全員:ハハハ!

―難しい質問でしたね(笑)。でも若い女の子がギターを弾いて歌うというのは、同じギタリストの先輩として嬉しいんじゃないですか?

J:そうだね。最高だよ。とても機敏(nimble)だと思った。

リンジー:機敏??(爆笑)

J:そう思ったね。ジミー(・ファロン)の番組か何かでキミの演奏を観たときに、キミの指が「ヒュルヒュルヒュル〜♪」って素早く動いていたから、「この人は機敏だな」と思ったんだ。かっこいいと思ったよ。

リンジー:機敏かぁ!!(笑)。(訳者註:nimbleという言葉自体が少し古くさい、かわいらしい言葉なのでそれにウケているのだと思われる)


Translated by Hanako Tabata, Emi Aoki

 
 
 
 

RECOMMENDEDおすすめの記事


 

RELATED関連する記事

 

MOST VIEWED人気の記事

 

Current ISSUE