矢沢永吉が12万人のファンを熱狂させた国立競技場2DAYS、MISIAに加えB’zとの共演も

スクリーンの映像を駆使したりカラフルな照明が飛び交ったりとエンターテイメント色が強いライブが続いているうちに、気が付けばあっという間に日が暮れてきた。

「なんかさ、めちゃ暑いんだけど、気のせいかな? 夏は年寄りにはキツいんだよ(笑)」とぼやいて笑わせる。「やっぱり、シャウト、シャウト、シャウトで歌うと(温度が)グングン上がってくる。でもね、出る前に思ったよ。神様、ありがとうって。こんなオヤジに夏のど真ん中に6万人の野外ライブやらせてくれてありがとうございます!」の言葉に客席は大喝采だ。去年のツアーを31本やったことを振り返ると、「最後の横浜アリーナは、泣きはしないけど、泣く手前かな(笑)? やっぱりウルウルしましたよ。僕だけじゃない、日本の歌手全員が予定が全部飛んだり。ここに来てるみなさんも一緒だったと思います。そして今年、2022年。矢沢50周年です。バチっと記念にしましょうよということで、きっとコロナももう終わってるなと思ったら、全然終わらない。そのぐらいしぶといやつで、みなさん、大変な人いっぱいいると思います。ごめん、今年もう1回、マスクで我慢してくださいということをお願いしないといけない。でもみなさん、必ず勝つから。僕らが必ず勝ちます」と、コロナとの戦いが続く世の中への力強いひと言に、観客はたくさんの拍手で応えた。



そんな言葉の後で歌われたのは、“20代の頃書いたシブい曲”との紹介から、「バーボン人生」。グッと音数を抑えた、ジャジーな演奏に乗せたいぶし銀の歌声と、哀愁漂うサックス、男女のダンサーが登場する演出が矢沢の50年の歩み、華やかさだけではないほろ苦さを表していた。サブステージに足を延ばして歌う矢沢がスポットライトに映し出されると、6万人の視線が注がれて、序盤の名シーンとなった。

メロウな曲とは対照的に、タイトなリズムと鋭いギターに乗せ〈何故に生きているのか?〉と問いかけるように歌うメッセージソング「アリよさらば」、1980年のアルバム『KAVACH』からオールドファンに人気の楽曲「Rolling Night」と、時代ごとのロックチューンが披露されて、50年の楽曲の変遷が随所にわかるセットリストとなっていた。いずれもソリッドなサウンドで、まったく錆び付くことのない矢沢のロックンロールの魅力を伝えてくれる。

Rolling Stone Japan 編集部

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