moumoon・YUKAと手島将彦が考える、アーティストが「悩みを相談できる場所」

左からYUKA(moumoon)、手島将彦


ー今回YUKAさんが、手島さんの著書『なぜアーティストは壊れやすいのか?音楽業界から学ぶカウンセリング入門』をお読みになられたということでお声がけさせていただいたのですが、本を読んでみてどういった感想をお持ちでしたか?

YUKA:手島さんの本を見つけた時は、とても嬉しい気持ちになりました。「日本でこういう本見たことない!」と思って。ミュージシャンの方々の実際の語りや、具体的にどういうことで困っていたのかが明確だったし、読みやすいと思いました。「自分の好きなミュージシャンもこんなことで困っていたんだ」と、とてもリアルで。私も普段感じているようなことを書いてくださっているなと思いました。

手島将彦(以下、手島):めちゃめちゃうれしいです。ありがとうございます。

ー今はメンタルヘルスへの意識が重要視されつつある時代です。YUKAさんは、大学院で臨床心理士の勉強をされていらっしゃるんですよね。

YUKA:私はアーティストのメンタルヘルスの向上のために何ができるか? ということを大学院で研究していて。音楽の仕事をしている中で、自分でも身の周りの人でもメンタルのバランスを崩してしまった経験があったんです。そういう時に助けてくれる人が必要だと思ったけど、周りに相談できる人がいなかったんですよね。当時の自分はすごく心も孤独になっていて、人に打ち明ける心の柔軟さも失った状態で。それで心のことに興味を持って勉強し始めました。業界にこういう人がいないなら私がなってやる! ぐらいの気持ちで。アーティストのメンタルのサポートをする活動をしたいなと思って、大学院に入りました。

ー実際に大学院まで行って研究されるって、すごいモチベーションと行動力ですよね。一方、手島さんも音楽業界で悩んでしまうミュージシャンを見られてきたんですよね。

手島:そうですね。今思い返してみると、あいつはたぶんうつだったんだろうなとか、発達障害のこういう特性を持っていたんだろうなとか分かるんですけど、あの時これを知っておけばな、ということが今でもあるんですよね。アーティストやスタッフを具体的にサポートするということもしたいし、そういうことに携わる人がどんどん増えてくればいいと思うんです。それと同時に、まず多くの人に関心を持ってほしいなとも思っています。

ー周囲の人に知識や意識があるだけでも、心を病んでしまっている人に向けられる目や、周りの環境からの悪影響も緩和されるのかなとも思います。

手島:基本的な考え方があるにしても、メンタルの問題はその都度、その人に対して適切な一番良いやり方を考えていくことが重要なんです。専門的じゃなくても前提となる必要な知識の共有だけでも、周りや本人の想像力が働くようになると思います。

YUKA:言葉で伝えるのが苦手だったり、自分がなんで困っているのかさえ分からないこともあると思うんです。でも、そういったことで扱いづらいとか、困った人だなって思われちゃうのは、お互いにとって勿体ないことですよね。何に困っているのかが分かれば周りもサポートできるし、パフォーマンスが良くなって良い循環が生まれていくのかなと思います。

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