moumoon・YUKAと手島将彦が考える、アーティストが「悩みを相談できる場所」

左からYUKA(moumoon)、手島将彦


ー自分の身の周りのミュージシャンの方がと悩んでいた時に、事務所の人とかレーベルの人に相談したら、知り合いのカウンセリングを紹介されたそうなんです。でも、カウンセリングに行く一歩を踏み出すのも大変そうで。アーティストとして活動されていて、そういう不安とか悩みを持った時に、どんな人がどうしてくれることが望ましいですか?

YUKA:私もこの仕事を始めた若い時にカウンセリングに通ったことがあったんですけど、行かなくなっちゃった理由があって。その先生は私のことを理解しようとしてくださっていたんですけど、翌週行ったらmoumoonのCDを買ってくれていて、よければサインをくださいと言ってくださったんです。私が喜ぶかもしれないと思ってやってくれたことかもしれないですけど、求めていたのは、悩みを受け止めてもらえる感覚だと思うんですよ。つらいんだねと言ってほしかった。じゃあ自分はどんな人に話を聞いてもらったら楽になったかと言うと、相談できて頼れる友達に出会ったことが大きかったと思います。ステージがどれだけ怖いものかとか、曲を生み出すのがどれだけ大変なことかを分かって、受け止めてくれる人がいてくれればいいなって思いますね。

ーメンタルヘルスの問題って音楽業界に限らずあると思います。心を痛めてしまった方々の話を聞いた時に、やはり声を上げにくい、相談しにくいというのもやっぱりあるんですね。

YUKA:私の場合は、自分が止まってしまうと全てのプロジェクトが止まってしまうという大きな責任を感じてしまっていたんです。忙しい時になかなか弱音が吐けなかったり、プロジェクトが止まってしまうのが怖くて過剰に動いてしまうこともありました。相方(moumoonのメンバー:MASAKI)も、睡眠障害が原因でお休みをいただいた時があったんですけど、その時も自分が相方に対して、本当に理解をしてあげられていなかったなと思って。だから、私もこういうことを勉強しないといけないんだって感じたんですよね。そこからもっとお互いが活動しやすくなるような工夫や、どうやったら良くなっていけるか話し合えるようになって、良い方向に変わりました。

手島:正直、人と人が関わることなので、相性はある前提で考えた方がいいと思うんですよね。だから、カウンセラーでも色々な人が増えてくるといいんです。音楽業界が特殊な世界であることは間違いないので、ある程度事情を分かった人は必要だと思いますね。メンタルヘルスの基礎的なことを知っていて、音楽業界のことを分かっている人が増えれば、精神科やカウンセラーにかかる前の段階でも大きく変わるんじゃないかなと思います。

YUKA:言葉にできる相手がいたからお互い理解しあえたけど、そもそも誰にも言えないで苦しんでいる人もたくさんいらっしゃると思うので。その一歩を誰が受け止められるかというのは、すごく重要なところだと思います。

手島:連載でちょっと触れたことありますけど、身近な人ほど逆に助けてって言えなかったり、話しづらいこともあるんですよ。なので、YUKAさんとMASAKIさんのような関係性の中で話ができるようになったのは本当に素晴らしいことだと思います。それと同時に、周囲の空気感としても、助けてって言いやすい雰囲気になっていくことも大事なのかなと思いますね。まず知ることが大事だという話をしましたけど、知識を得たところでそれを言える雰囲気がなかったら何ともならないじゃないですか。まだ日本だと、こういうのが話題にしづらい感じは残っているのかなと思います。

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