moumoon・YUKAと手島将彦が考える、アーティストが「悩みを相談できる場所」

左からYUKA(moumoon)、手島将彦


ー以前、台湾のあるミュージシャンに取材した時に、そのバンドが曲をリリースをして、半年間ライブ活動を休止しますということを言っていたんですよ。本人たちは大したことを言っているつもりはなくて、ちょっと休むだけで、誰かがつらいとか仲が悪いとかもなくて。そういう大事に捉えられるのは意外だって話してたんですよ。日本の音楽業界、ひいてはエンタメ内での捉え方って特殊なのかなと思ったんですよね。

YUKA:たしかに。リリースのスパンも早めて、SNSの更新も定期的に更新してっていう焦りがある気がするんですよね。その台湾のミュージシャンの方みたいに、ちょっと休憩が必要だったんだよって言えることは必要だと思います。リリースの間隔が空いて待たせてしまうけど、いいものを作ってきてねって言い合えるような関係ができれば、もっと豊かな音楽が生まれていくんじゃないかなって思います。私も活動をお休みさせてもらってたり作品を出せてない状況でも、「いつでもいいからね」って声をかけてくださるファンの方もいらっしゃるんですよね。そういった声にどれだけ励まされたことか。

ーレコード会社やレーベルに所属してリリーススパンの契約があるのは、ミュージシャン側にとっては、その期間に一定数の作品を生み出しなさいっていうプレッシャーにもなって、結果やりにくく感じる部分もあるのかなと思うんですよね。もちろんレコード会社もビジネスでやっているので、作品を出して利益を生んでくれないと困るというのも分かるんですが。

手島:僕は音楽を売る側としてもしばらくやっていたんですが、一定のテンポで活動しないといけないという定石というか慣例みたいなのはありますよね。一回飛び立ったら、ずっと羽ばたき続けるからこそ上昇できる、みたいな。でも、最近SNSとかでも良い面があって。数年前に発表した曲が突然ブレイクしたりすることもあるじゃないですか。どの時期に何をしなきゃいけないという縛りから外れる方向にもいけるんじゃないかなと。ビジネス的なやり方としても、先ずは良い作品をその人のペースで作ってもらう。そうすれば、ひょっとしたら3年後とかにドーンと注目されることもありえるかもしれない。例えば、シティ・ポップの作品が何十年も経ってから流行るみたいなことが今起きているのも、結局は作品の力があったからですよね。。目先の利益を追い求めて、結果的にどこかで破綻しちゃったら元も子もないので。持続可能なやり方を考えていく方が結果的に良いと思いますね。

ー目先の利益より、広いスパンで見た上でのミュージシャンとの接し方も必要なんですね。

YUKA:以前の手島さんの対談の中で、アーティストの生き方そのものが作品になっていくという言葉があって。長い目で見た時に、この人はこういう人生歩んできたんだっていうのも一つの作品だという考えに私も共感しますね。長くいいものを作れる環境を整えていくことが大事なんだろうな。一筋縄ではいかないのも重々承知しているんですけどね。

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