ブリング・ミー・ザ・ホライズンが語る、ヘヴィメタルを「超越」した音楽性

BMTHのオリジナリティとは?

ーどんなにヘヴィで風変わりなサウンドをやろうとも、ブリング・ミー・ザ・ホライズンには、昔から必ずキャッチーな要素がありますよね。

リー オリーはキャッチーなリリックを書くのが上手いからだと思うね。それにオリーはヘヴィなサウンドにハマる前はニューメタルにハマってたんだ。ニューメタルはキャッチーなフックが多いから、そこからの影響は無意識に出てるんじゃないかな。それで観客もシンガロングできるわけだし。

マット 僕たちはハードコアのシーンでやってたから、観客が参加するっていうのも重要な要素だったんだ。ライブでは、客が客の上に飛び乗ったり、マイクに向かって一緒に歌ったりするし、僕たちも観客と一緒になって音楽をやるのが好きだった。オリーは、客がモッシュして、シンガロングする、そういうハードコアからの影響も意識して曲を書いてたと思うよ。

ーアルバムを出すごとにバンドのサウンドは進化していきましたが、演奏スタイルや音楽的なアイデアはどのように変わっていきましたか?

マット 最初はあまりドラムを上手く叩けなかったかったんだ。速く叩くか、遅く叩くかぐらいしかできなかった。だから、アルバムを作るってなった時に、スゴくフラストレーションが溜まってね。そこで本格的にドラムを勉強することにしたんだ。その後、バンドのサウンドはどんどん進化していったし、前のアルバムの『アモ』ではポップなアプローチをやって、いくつかの曲はデジタル・ビートみたいな感じになった。僕に関して言えば、サウンドの進化に対してどのように適切な演奏ができるかというのが大事で。もしバンドが進化していなかったら、僕自身もずっと昔と同じことをやってたと思うんだ。根本的なことを言えば、僕はロック・ドラマーであって、テクニカルなドラマーじゃないし、いかに激しく叩くかということばかりやってきたわけだから。だから違うスタイルを勉強して自分のものにすることも大事なんだよ。

リー 曲作りをする時にしっかりとした構成を考えるようになったのは、『センピターナル』(4thアルバム)からじゃないのかな。テクニック的なことを言うと、シンプルな方がハードになるし、演奏の方も簡単になるんだ。だから演奏を詰め詰めでやりすぎてしまうところから解放された時に、音楽はさらにパワフルなものになった。それがわかったのは大きな学びとなったね。



マット 初期の曲は考えすぎて作ったものだから、今はあまりやりたくはないな。バスドラムの入れ方もスゴく変わってたし、クレイジーだったね。今振り返ると、何を考えてたんだ?って感じさ。「余計なものがない方がいい」っていうのがわかってなかったんだろうね。

リー メタリカだって同じ道を辿ってるんだ。テクニカルなスラッシュをやった後に、ブラック・アルバムでは贅肉を削ぎ落としたサウンドになったよね。特にその前のアルバム『メタル・ジャスティス』と比べるとそれはハッキリしてるよ。ブラック・アルバムはテクニカルな部分よりもソングライティングに重点が置かれてるんだ。『センピターナル』は僕たちにとってのブラック・アルバムみたいなものだよ。

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