ブリング・ミー・ザ・ホライズンが語る、ヘヴィメタルを「超越」した音楽性

僕たちはメタル・シーンでは浮いていた

ー多くのいわゆるメタル・バンドは、そういう音楽的な進化をあまり追求しないですよね。

マット ほとんどのバンドは純粋にメタルが好きだからだと思うよ。でも僕たちはいろんなところから影響を受けてるし、メタルだけを聴いてるわけじゃないから、純粋なメタルの曲を作ろうっていう風にはならないんだよ。それに、僕たちは興味を持ったものからは何でも影響を受けてしまう。それがダンス・ミュージックであろうと、ヒップホップであろうとね。僕は今でもメタル・バンドが好きだし、サウンドが変わらないメタル・バンドも大好きだ。ただ単に僕らは純粋なメタルのサウンドを追求してないだけだよ。

リー メタルだけを追求してるバンドは多いからね。僕たちは彼らがやらないような、自分たちならではのサウンドを追求したいんだ。

マット 昔やってたようなメタルをもっとやってほしいとか言われることもあるんだけど、僕たちはやりたいと思わないし、僕たちよりもそういうメタルを上手くやってるバンドはたくさんいる。もちろん今でもメタルを好きで聴いてるけど、他にもいろいろ好きだからね。

ー『アモ』をリリースした時、メンバーのジョーダン・フィッシュ(Key)は、自分たちの音楽はメタルとは言えないし、実際にメタル・コミュニティに受け入れられていないという発言をしています。この点についてはどう思いますか?

リー 僕たちはまず、メタル・バンドに見えないしね。誰もロングヘアにしてないし、メタルの格好もしてない。それは結成当時から同じだよ。だからメタルのシーンにはハマらないんだよね。昔、マシーン・ヘッドとツアーでオープニングをやった時も、僕たちは浮いてたんだ。メタルのファンっていうのは、メタルではないものを排除する傾向にあるからね。

マット 黒いTシャツとかジャックダニエルとかね。マンチェスターでのライブ、覚えてる? ステージに立つとボトルが次々投げられてきたよね。レディング・フェスティバルでは、スリップノットが2日前にキャンセルになって、代わりに僕たちがステージに出てきたら、ボトルが飛び交ってたよ。だからここまでの道のりは全然楽なものじゃなかったんだ。自分たちは良い音楽を作ってるんだって信じるしかなかった。僕たちは信念を持って進化したいと思ってたし、音楽的にも普通のメタル・バンドとは違うところからインスピレーションを得てきたんだ。長くハードな道のりだったけど、やるだけの価値はあったと思ってる。

ー同時に、ここまでの音楽の旅を誰よりも楽しんできたわけですね。

マット そうそう。楽しんできたよ。(2013年に)ジョーダンが新メンバーとして入ってからは特にそうだ。勘違いしてほしくないのは、ジョーダンは僕たちのバンドをネクストレベルにまで引き上げてくれたってことなんだ。

リー 同意見だね。僕たちは最初からメタルのシーンに属してる感じじゃなかったから。だからメタル・ファンが頭に来るようなことをやるのが楽しかったね。それで僕たちのバンドはより強力になっていった。あと、僕たちは自分たちをカテゴライズしてなかったから、メタルのシーンでも、ポップのシーンでも、活動することができた。ヘルフェストにも出演できたし、ポップ・フェスティバルのBBCラジオ1・ビッグウィークエンドにも出演できた。僕たちはいろいろなファン層にアピールできるし、オジー・オズボーンとも共演するし、マイリー・サイラスとも共演するんだ。

ーそんなメタル・バンドはいませんからね。

リー ポップ・フェスティバルで超ヘヴィな曲をやれるようなバンドは他にはいないね。


Photo by Lewis Vorn

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