DENIMSが語る、自分だけの「色」や「クセ」を活かす方法

こだわりのサウンド・プロダクション

─その辺の間合いというか、阿吽の呼吸みたいなものは、長く一緒にやってきたからこそという感じなのでしょうね。以前のインタビューでカマチューさんは、「ヴルフペックをメンバーに聴かせて人力で再現するみたいなことをやった」とおっしゃっていましたよね。それにも近い気がします。

カマチュー:確かにそうですね。かと思えば「Crybaby」とかは結構、弾き倒していたりするんですけど(笑)。



おかゆ:3曲目の「The Lights」もそうやな。全員で弾き倒してる(笑)。「引き算、全く出来へんのや」みたいなことを敢えてやっているんですけど、いろんな形の歯車がいっぺんに回り出しているみたいな感じというか、「やってるうちに嬉しくなってしもうてるやん」みたいな楽しさが聴いてる人にも伝わるといいなと。



─「Crybaby」は、「虹が架かれば」(前作『makuake』収録)などの延長線上にありつつ、異色な仕上がりですよね。

カマチュー:自分的にはDENIMSの十八番かなと思っていたんですけど、確かに転調の仕方とかは今までにない試みですね。これまでは割と「ループもの」というか、同じコード進行がずっと続く中でメロディを考えるのが好きだったんですけど、色々展開していく曲でメロディが変わっていくのもいいなと思って勉強して(笑)。「そうか、こうやって転調するとスムーズなんや」みたいなことを学びながら作りました。そういう意味でも「Crybaby」と「I’m」は気に入っていますね。

─「I’m」は、ピアノの弾むようなバッキングや、ヒネリの効いたコード進行、ギターの音色などどこかビートルズっぽさを感じます。

カマチュー:ビートルズはおかゆがフリークスですけど(笑)、僕自身はさほど詳しくなくて。でも、確かにサビはビートルズっぽいのかな。自分としては、Aメロとかヒップホップの感じをやりたくて、そのごちゃ混ぜ感がDENIMSらしくなっているのかなと思っています。さっきも話したように、実は1年くらい前にアレンジは完成していて。「いい曲だな」とは思っていたんですけど、大事にしすぎて全然リリースせず(アレンジを)練り回していました(笑)。



─前作に引き続き、今作もサウンド・プロダクションが素晴らしかったです。

カマチュー:ありがとうございます。前作のエンジニアはhmc studioの池田洋さんでしたが、今作は京都music studio SIMPOの荻野真也さんにお願いしました。で、「I’m」だけ元NOKIES!のクメユウスケくん(Special Favorite Music)に、サウンドプロデュースという形で関わってもらっています。レコーディングの段階からクメくんにスタジオに来てもらって、録音したデータを持ち帰って逆再生などエディットを施してもらったり、ディレイの発振音を足してもらったり。僕らだけだったらせえへんようなことを、いろいろ試すことができて楽しかったですね。

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