「セックス・マシーン」誕生50周年 ブーツィー・コリンズが明かすJBファンクの真髄

ジェームス・ブラウンのバックで演奏するブーツィー・コリンズ


俺たちは楽器の一部として音に変換した

1970年7月23日、「セックス・マシーン」が各ラジオ局で受けていることをBillboardが報じた数週間後、ブラウンとJ.B.sは再びスタジオ入りし、約11分に及ぶ同曲の別バージョンをレコーディングした。曲に馴染んだJ.B.sのスキルが遺憾無く発揮されたこのバージョンはよりルーズでファンキー、そして自信に満ちている。ブラウンはお気に入りの都市の数々にシャウトアウトを送り、大声で「Good Gawd!」と叫ぶ。レンホフが冒頭に偽の歓声を差し込み、コリンズ兄弟の加入前に録音されたライブ音源を加えて完成させたアルバムは『セックス・マシーン』と題された。同年秋に発売された同作はシングルにも引けを取らない反響を呼び、チャートの29位にランクインした。

同曲の成功はファンクに接近した新生ブラウンの誕生を告げるとともに、ライブにおける定番曲となった。1971年にステージで披露された際にはよりアッパーで、即興の部分がより強調されていた。1971年のパリ公演の音源で耳にすることができるキャットフィッシュのワウが効いたソロは、同年後半にコリンズ兄弟がジョージ・クリントンと共に結成するファンカデリックのサイケデリアを感じさせる。


1971年、パリ公演の音源


1992年、日清カップヌードルのCMに登場したJB

コリンズ兄弟と袂を分かった後(ソロとしてキャリアを築いたブーツィーは、本誌の「史上最高のベーシスト50選」ランキングの上位に登場している)、ブラウンは同曲に無用なアレンジを加え続けた。有名なアポロシアター公演ではテンポを大幅に上げ、1975年発表の駄作『Sex Machine Today』ではディスコ調に編曲したほか、1995年のアポロシアター公演ではゴスペル調レイヴというべきバージョンを披露している。さらに彼は90年代に、日本のカップラーメンのCM用にボーカルを録り直している。その滑稽としかいいようのない光景は、ツアーバス内でメンバーたちを驚かせた後、半ば思いつきで強引にレコーディングを実施したというエピソードとはまるで結びつかない。

「彼との思い出は『トワイライト・ゾーン』みたいな感じなんだ」最新作『The Power of the One』のリリースを控えているコリンズは、ブラウンと過ごした日々とそこから学んだ経験についてそう話す。「音楽はいつでも、何もないところから唐突に生まれてきた。俺たちはプレイヤーというよりも、それを鳴らすための楽器の一部として、彼が言わんとすることや感じていることを音に変換していたんだ。あの不思議な感覚はまさに『トワイライト・ゾーン』さ」

From Rolling Stone US.

Translated by Masaaki Yoshida

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