オンライン上で活動するセックスワーカーの悩み

Photo by Robyn Beck/AFP/Getty Images

セックスは儲かる――だが一部の客は、親密な繋がりを頼りに孤独をやり過ごしている。

約2200万人のアメリカ国民同様、性風俗業界でも大勢の人々が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで職を失った。31歳のアリッサもその1人だ。彼女はネバダ州パーランプにある売春宿Sheri’s Ranchで10年働いてきた。パーランプが位置するナイ郡は、売春が厳しく規制されつつも合法化されている、アメリカでも数少ない郡のひとつだ。

売春宿が店を閉めたため、アリッサはどうにかして仕事をオンラインにシフトさせなくてはならなくなったが、風俗業で働く多くの人々にとって、言うは易く行うは難し。職を失った多くの同業者同様、彼女もまた風俗チャットプラットフォームに押し寄せるセックスワーカーたちとの競争を余儀なくされ、そこまでセックスワーカーに厳しくない少数のソーシャルメディアで売り込みに励んでいる。

12歳の娘を持つシングルマザーのアリッサは、毎月週1でSheri’s Ranchで働いていた。職場の方針で、給料や「パーティー」(彼女の店では、顧客とのセッションをこう呼ぶ)1回当たりの報酬について話すことはできないが、ここ数カ月間での収入はだいたい2万5000ドル弱。だがそれも3月18日、ネバダ州で自宅待機命令が出されて店が閉まるまでのことだ。

アリッサはGFEも得意としている。GFEとはGirlfriend Experience、つまり疑似恋人体験のことだ。内容は様々だが、一般的には通常より親密度の高いサービスを提供するセッションのことで、たいていはキスやハグ、長い会話などを伴う。そうしたサービスのために、彼女はSkypeとFaceTimeで「バーチャルデート」を提供するようになった。本人曰く、自分のやり方はその他大勢のセックスワーカーとは違い、ビデオ通話や動画の販売、その他性的サービスは提供していないそうだ。ほとんどの顧客はおしゃべりをしたり、Netflixを一緒に見たり、パンデミックの不安を分かち合いたいだけなのだ。彼らは何よりも、自宅隔離中に人との繋がりや親密さに似たものを求めている。

・コロナの影響で収入が激減したと語るアリッサ(写真)

ローリングストーン誌はアリッサにインタビューし、Skypeデートについて、GFEについて、そしてCOVID-19の時代にオンラインに移行している合法セックスワーカーの悩みについて聞いてみた。

Translated by Akiko Kato

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