本当は無実かもしれない5人の凶悪殺人犯

5つの事件は当然有罪になると見られていた――が、真相は違うと支援者たちは言う(Photo by ZUMA)



刑事からあの手この手で強要され、供述を変えるように迫られた

・タイラ・パターソン


タイラ・パターソンはすでに仮釈放されているが、汚名返上を誓っている。

1994年9月のとある深夜、オハイオ州デイトンで19歳のタイラ・パターソンは運の悪い時に、運の悪い場所で、運の悪い相手と一緒にいた。数カ月後、パターソンは加重殺人および強盗で起訴され、終身刑を言い渡された。23年後に仮釈放されたものの、必ず汚名を雪ごうと決意を固めている。

事件当夜、パターソンは友人のベッカ・スティダムと一緒に5人の知り合いと遊んでいたが、別のティーンエイジャーのグループと口論になった。相手のグループにはミシェルとホリーのライ姉妹がいた。ライ姉妹と仲間たちは「狩り」、つまり車に乗って強盗目的で鍵の開いたガレージを物色していたとみられる。2つのグループの間で口論が起こり、ミシェル・ライさんが頭部を撃たれ、射殺された。

検察も最終的には、ライさんを撃ったのはパターソン被告だったことを突き止めたものの、パターソンはネックレスを盗ったと自供していたため、殺人に関与したとして加重殺人で起訴された。パターソンは、録音された警察での供述は事実ではなく、強要されたのだと主張した。彼女いわく刑事から脅された上、情報を提供したスティダムは釈放されたと仄めかされたため、話をでっちあげたという。

「後ろにいた子がネックスレスを付けていたのが目に入りました」とパターソンは警察に語った。「私がネックレスを取りました。銃で撃ったりはしていません。ただネックレスをとっただけです」

パターソンはのちに、自分は誰からも何も奪っていなければ――地面に落ちていたネックレスを拾ったが、後でトイレに流した――射殺の現場にもいなかった、と言った。喧嘩の場を収めようとした後、パターソンとスティダムは帰路につき、途中で銃声を聞いた。パターソンは家に着いてから偽名で緊急通報した。陪審は緊急通話の音声はおろか、この事実すら知らされなかった。弁護側は、パターソンも友人のスティダムも証言台に立たせなかった。検察側はパターソンの窃盗の自白に焦点を絞ったが、3人の被告のうち誰がこれらの犯行に及んだかという点になると、生存者の証言は互いに食い違っていた。

にもかかわらず、パターソンは有罪判決を受け、懲役43年から終身刑が言い渡された。いわゆる「裁判税」――傲慢にも無実を主張して無理やり公判に持ち込んだことに対する罰金――の支払いも命じられた。以来、スティダムとパターソンを含む3人の被告は、神に誓って自分たちは窃盗にも殺人にも関与していないと主張している。12人の陪審員のうち6人は、緊急通報のことを知っていたら無罪にしただろう、という宣誓供述書を提出した。今ではホリー・ライも、最初のうちはパターソンが関与していないと警察に供述していたが、刑事からあの手この手で強要され、供述を変えるように迫られたと言っている。

「今はもう、ミシェルの殺害のきっかけとなった窃盗にタイラが関与していたと思いません」。オハイオ州のジョン・ケーシック州知事に宛てた手紙で、ライはこう書いている。「タイラがずっと収監されているのは間違っていると思います」

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Translated by Akiko Kato

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