バンドと「地元」を繋ぐ物語 FAITHが切り開く新時代

長野県伊那市発の男女5人組バンドFAITH(Photo by Kazushi Toyota)

長野県伊那市発の男女5人組バンドFAITHが、1月に1stフルアルバム『Capture it』でメジャーデビューを果たした。新作の発表に伴い、彼らは全国6カ所を回るリリースイベントを敢行。Rolling Stone Japanでは、最終日に長野県伊那市にある平安堂伊那店にて行なわれたイベントに朝から密着。

彼らと長い時間をともにすることで、FAITHというバンドの結束力の高さや地元愛の深さを間近で感じることになった。そして、思った。Akari Dritschler〈アカリ・ドリチュラー〉(Vo)、ヤジマレイ(Gt)、レイ・キャスナー(Gt)、荒井藤子(Ba)、ルカ・メランソン(Dr)――こんなにも愛すべき5人組を自分はほかに知らない。

2月2日、時間は午前10時。見事な晴天で上着がいらないぐらいの陽気だ。集合場所は伊那市駅近くにあるメンバー行きつけのカフェ。伊那市駅というぐらいだから大きい駅だろうと思っていたら、意外なぐらいこじんまり。早い時間ということもあって、人はそれほど歩いていないが、寂しいというよりは穏やかな雰囲気だ。

カフェに入ると、5人のメンバーがすでに談笑中だった。午前中にもかかわらずテンションが高い。ヤジマを中心に、最近ハマってるというサウナについて楽しそうに話している。このバンド、本当に仲がいい。彼らは才能あるミュージシャンの集まりだが、それ以前にただの仲良し5人組なのである。いろいろな考え方があるとは思うが、FAITHの場合、中学・高校時代から続く結束力の高さが素晴らしい音楽につながっていると自分は信じている。腕利きのミュージシャンが集まっただけでこの音楽は生まれないのだ。


コーヒーとサンドイッチ おかもと(伊那市駅前)にて(Photo by Kazushi Toyota)


Akari Dritschler〈アカリ・ドリチュラー〉(Vo)Photo by Kazushi Toyota


ヤジマレイ(Gt)Photo by Kazushi Toyota


レイ・キャスナー(Gt)Photo by Kazushi Toyota


荒井藤子(Ba)Photo by Kazushi Toyota


ルカ・メランソン(Dr)Photo by Kazushi Toyota


Photo by Kazushi Toyota

カフェで軽く撮影したあと、彼らが活動の拠点としていたライブハウスGRAMHOUSEへ徒歩で移動。


Photo by Kazushi Toyota

そこで待ち受けていた店長の大澤良太朗氏に軽く話を聞いた。彼がFAITHのメンバーと初めて出会ったのは、彼らがまだ中学生の頃だったという。GRAMHOUSEにやってきた「えらくちっちゃいヤツら」(大澤)がバンドを始めたと聞いたときは、その若さもあって、将来に期待していたという。そして、高校2年生ぐらいの頃にはすでに「いいバンドになった」と感じていたという。


Photo by Kazushi Toyota

大澤氏が思うFAITH最大の魅力は、「バンドを楽しんでやっていること」。「ステージを観ていても楽しそうだし、フレッシュですよね。音楽に関しても、アメリカに出ていってもそのままやれるようなサウンドになってると思います」と高く評価している。

GRAMHOUSEの2階は広いバースペースになっている。そこに飾ってあった一枚の絵に目が留まった。夕日の上に「FAITH pre. Time Leap」と白くペイントされているこの作品はヤジマの手によるもの。高校の美術の授業で、福井のキャンプ場から見える大好きな夕日をモチーフにして描いたそうで、その上に大胆に文字を書き足し、自分たちの企画イベント用に流用したという。それがいまだに飾ってあるのだ。GRAMHOUSEのFAITHに対する愛情を感じる。


Photo by Kazushi Toyota

バースペースの別の壁には3枚の写真が飾られていて、そのうちの一枚に荒井藤子が演奏する姿が収められていた。「この写真を撮ってくれたカメラマンが高校の後輩で、私のこと大好きでいてくれて」と荒井は笑った。


Photo by Kazushi Toyota


Photo by Kazushi Toyota

話を聞いてみると、FAITHのメンバーは3年前にGRAMHOUSEが現在の場所に移転する際に引っ越しを手伝ったり、そもそもギターのヤジマとレイは2人ともここでバイトをしていたぐらい繋がりが深い。学生時代は毎週末、GRAMHOUSEに集まっていたそうで(Akariの家からは車で30分以上もかかるそうだが)、この場所を“おうち”と表現する荒井の言葉は誇張でもなんでもないのだろう。ふと壁を見やると、2年以上前、彼らがまだ全員10代の頃にリリースした1stミニアルバム『2×3BORDER』のポスターが貼ってあった。そこにはメンバーの字でこう書いてあった、「大人になったら呑みにきます!」。彼らは今年、メンバー全員が20代を迎える。


Photo by Kazushi Toyota


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