ONE OK ROCKのTakaと共演、MAXが語る国境を越えた友情秘話

―わかりました。では、日本で話題の「ライツ・ダウン・ロウ feat. Taka from ONE OK ROCK」の話を。実現の経緯から教えてください。

MAX:Takaと知り合ったのは3年ぐらい前、アメリカでのことなんだ。彼がツアーで僕が住んでいるニューヨークに来た時、対バンのIssuesも僕の友達で、だからショウを観に行って、そこで紹介された。彼のことも彼のバンドのことも僕は何も知らなくて、もちろんライブも初めて観たけど素晴らしくて、終わってから少し話をしたらすごくいい人で。愉快なことが大好きで、お互い小さいのに笑い声がデカイところも似てて。


MAXとIssuesの共演ライブ。2016年のAPMAs(パンク/ラウドシーンのミュージック・アワード)にて。

―(笑)。

MAX:僕も背は低い方だから。でも、2人とも同じようなことでゲラゲラ笑えてさ。それですぐ意気投合したんだ。あっという間に友達になった。その後、僕が初めて日本に行くことになって、Takaに「日本にいる? 会いたいな」ってメールしたら東京の案内役を買って出てくれたんだ。あんな優秀なガイドは初めてだよ。おかげでスシもサシミも最高のものを食べられたし、ラーメンもいい店に連れて行ってもらったし、みんなで伝統的な装いで祭に行ったり、ホント、最高だった。その祭に向かう車の中で……なんか、伝統的な日本の祭で、場所も名前も覚えてないんだけど、みんなでキモノを着て車に乗って、そこでTakaが「ライツ・ダウン・ロウ」を歌い始めたんだ。ただ何となく、ね。それがすごく上手かったから「いいじゃん、一緒にやろうよ、あの曲の新しいヴァージョンを一緒に作ろう!」って、その場で僕から持ちかけたんだ。彼は「マジ? いけると思う? できたら光栄だけど」と。そして彼が取り掛かったものが、ようやく陽の目を見るわけ。彼が日本語で歌ってるんだけど、見事だよね。彼は世界でも有数の美声の持ち主だと僕は思うよ。というのが、今回のニューヴァージョン実現の経緯。

―友情が先だったんだ。

MAX:そういうこと!

―彼らのことは知らなかった、と言っていましたが、出会ってからアルバムを聴いたりはしましたか。聴いていたら、どんな感想を?

MAX:何よりも先にライブを観てしまったから、そのスゴさはすぐわかったよ。でも、その後、音源も聴いたし、あと、東京はじめ日本全国のスタジアムでライブをやっている映像を観てものすごく圧倒された。初対面のTakaはどっちかっていうと優しくて謙虚な人、という印象だったのが、ステージに上がったらある意味別人というか……驚異的だよね。ありったけのエネルギーを注いでロックスターになっていく。ステージ上に謙虚さの居場所なんか無いからね。ああいう、ステージのペルソナに生命を吹き込む感じは、僕にもTakaにも共通する資質だと思う。そうやって後からどんどんファンになっていった感じだよ。その方が、先にファンになってから知り合うよりずっといい。


ONE OK ROCKが今年2月にリリースした『Eye of the Storm』収録曲「Wasted Nights」

―確かに。彼は、あなたの音楽についてはどんなことを言っていましたか。

MAX:今話したように東京ではありがたいことにずっとTakaが案内してくれたんだけど、その間、何かにつけて「男性では君の声が世界で一番好きだ」とか「ライツ・ダウン・ロウはいい曲だね」とか、ずーっと言ってくれてて、こっちはもう、そもそも僕の曲を彼が知っててくれたことが驚きだったのに、そんなに褒めてもらってすっかり恐縮しちゃったよ。あんまり2人で褒めあってばかりいたから、僕の妻が「ここは私、ヤキモチを焼くところ? あなた達、愛し合ってるとか?」って言い出したくらい。

―(笑)。

MAX:ははは。「そんなんじゃないよ、お互いの音楽に対して熱くなってるだけだ」って説明したんだけど、うん、嬉しかったよ。

―車の中でTakaが歌ったのは英語でしょう?

MAX:そう、英語でサビのところを歌ってた。だから「新たに日本語でヴァースを書いてみたら?」って僕から提案したんだ。そして彼が翻訳したわけ。クールだよね。

Translated by Kazumi Someya

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