ONE OK ROCKのTakaと共演、MAXが語る国境を越えた友情秘話

―それで、実際のコラボレーションはどうやって? 一緒にスタジオに入ったのか、ネット越しのやりとりか。

MAX:うん、その旅が終わって僕はこっちに戻り、あとは遠距離コラボだよ。彼らは、こないだリリースされた最新アルバムの録音中でそもそもスタジオにいたし、通訳の人が付いていたからオンラインでああだこうだとやりながら完成させた。

―期間としてはどれくらい?

MAX:変な話、2018年の12月、いや、11月には終わってたんだ。何だかんだ、1年前のコラボレーションってことになる。ただ、すぐリリースするつもりはなくて、ちょうどお互いに新しい素材があったから、そっちで手一杯で。それが、少し余裕ができたところで「そういえば、あれはどうなった? 出そうよ。何かやり方を考えよう」ってことになり現在に至ってる。作ってからしばらく経ってしまったけど、寝かせておいた価値はあると思うよ。

―日本語版の感想を教えてください。

MAX:「ライツ・ダウン・ロウ」という曲は、ここまでとても素敵な旅をしてきた。スペイン語のヴァージョンがあったり、別のフィーチャリング版があったり。僕は自分がソロアーティストだから、色んな人と組んでコラボレーションすることに興味があって、この曲だけでも色々トライしてみたわけだけど、ヴァージョン違いを並べた時に思うのは、やっぱり本物の愛の曲であることは変わらないな、ってことで。あれ、僕が妻のために書いた曲だから。



―そうですよね。

MAX:うん。あの曲を歌ってプロポーズしたんだ。それくらい深い愛のこもった歌だから、どんな言語に翻訳されて誰が歌った新しいヴァージョンになろうと、嘘のない、深くて情熱的なメッセージは変わらない。そこがあの曲の特別なところだと思う。それが翻訳を通じてより広く伝わっていくなら、こんなに嬉しいことはないよ。Takaも自分の解釈で僕のメッセージを日本語に置き換えてくれたんだと思うから、そんな彼の気持ちも考えながら聴くと今までで一番スペシャルなヴァージョンにも思える。日本のみんながどう思うか、僕も楽しみだ。

―奥様としては複雑かしら。自分のための曲がみんなの曲になってしまって(笑)。

MAX:実は、最初はそう感じていたみたいだよ。おかしいよね。でも、色んな人がプロポーズに使ったり結婚式に使ったりするのをみているうちに、彼女もだけど僕自身も、そのメッセージの広まり具合に……沢山の人が自分の人生に当てはめて曲のメッセージをシェアしあっているということがわかって、すごくこう……超越した曲だな、と思うようになったんだ。書いた人とそれを当てた相手だけでなく、こんなにも特別な形で広まっていくなんて。それは音楽の素晴らしさでもあるし、正に真の愛の形なんじゃない? ここ数年、あの曲の広まりに僕は本当に恐縮していて、今回、Takaが謙虚な姿勢で取り組んでくれたおかげで誰もが喜べる結果が生まれたと感謝しているんだ。

―間もなく日本に来るということでしたが、Takaと日本で共演できたらお互いにとても良い結果になりそう。

MAX:そうだよね。それができたらいいけど、今はまだ調整中で何とも言えない。少なくとも、僕が日本に行くからにはTakaと会わないわけにはいかないんで(笑)、もしかしたら何かやれるかも。

―でも、この曲を通じてTakaのファンにあなたが紹介されることは確実に期待できますよね。

MAX:そうあってほしいと思う。

―ONE OK ROCKもしてみれば、その逆を期待するだろうし。

MAX:それはどうだろう、彼らは既にアメリカでツアーしてかなり成功しているから。でも、そうなれば嬉しいね。

―他に日本のアーティストやミュージシャンで知っている人、コラボレーションしてみたい人はいますか。Takaの紹介で知り合った人とか、います?

MAX:Takaに紹介してもらったのは最高のスシとラーメンぐらいだよ。

―(笑)。

MAX:彼の周囲のナイスな人たちとの出会いはもちろんあったけど。今後も日本に行ったら彼に案内してもらうつもりだから、これから何かそういう出会いがあるかもね。あと、ニューヨークでは逆に僕がガイドにならないといけない。精一杯頑張らせてもらうよ(笑)。



―わかりました。ありがとうございます。あと、新作のことについて少しだけ。全体の雰囲気と、共演者、共作者について現時点で言えることがあればお願いします。

MAX:うん、全体の雰囲気は活気があってソウルフル。「ラヴ・ミー・レス」や「アシッド・レイン」のようなアップテンポなダンス曲、という意味でのソウルな感じと、それこそ魂のこもった生々しくてエモーショナルな歌い上げ系のバラードもあって、どっちもとにかくエネルギッシュなので、次はそれを是非、ライブでも伝えたいと思っているんだ。そこまでやって、テーマの全体像が見えるんじゃないか、と。あ、あと前向きさ。これも大事なテーマだ。愛や希望や光を見出せるストーリーの曲が揃っている。コラボレーションに関しては、友人のキム・ペトラスとの「ラヴ・ミー・レス」のニューヴァージョンを今日、発表したところなんだけど、アルバムにもワクワクするようなフィーチャーが山ほど入っていて……まあ、今日のところは謎のままにしておくけど。

―(笑)。

MAX:キム・ペトラスの他にも、僕のリトル・パーティ・ピーポーが大勢参加する予定だから、楽しみにしてて。

―わかりました。いい子で待ちます。

MAX:ははは。

―前作との一番の違いは何でしょうか。

MAX:そうだなあ……前のアルバムでは僕、すごく実験したんだよね。色んなプロデューサーと組んで色んなことを試して、それはそれでとても楽しかった。今回は、実験性という意味ではさらに上を行っているんだけど、全体のサウンドには前より一貫性がある。プロデューサーの数も減らして、すべての曲がもうちょっと繋がりを持つようにした、というのが僕にとっては大きなポイント。今回のアルバムで是非やってみたかったことでもあるんだ。全体を聴いた時に一貫した流れの中で楽しんでもらえるアルバムになっているんじゃないかな。前作ももちろん自信作だけど、今回はランダムに聴いても、通しで聴いても楽しめるアルバムになるはずだ。

―ありがとうございました。最後に何か、ファンの皆さんに言っておきたいことがあれば。

MAX:辛抱強く待っていてくれて、本当にありがとう。約束するよ、僕にできる最高のアルバムを作ろうと頑張っているから、作っている僕もだけど、きっとみんなにも同じくらい楽しんでもらえる作品になると思う。今、聴いてもらえるシングルの「ラヴ・ミー・レス」と「アシッド・レイン」は気に入ってくれたかな。それと、Takaの新しいヴァージョンで「ライツ・ダウン・ロウ」も楽しんでもらいたい。もうすぐまた会えるのが楽しみだよ。アリガトゴザイマス!



〈Taka from ONE OK ROCK コメント〉

出会いはNYでした。ONE OK ROCKがIssuesのアメリカツアーに参加した時のNY公演にMAXが遊びに来ていて、そこでボーカル3人同士で話したのがきっかけです。

Tyler(Issuesのフロントマン)から色々な話を聞いたりする中で、後日MAXが日本に来るということがわかって。その時夏だったので、MAXと奥さんと僕の友達と一緒に麻布十番祭りに遊びに行ったんです。その行きの車内で彼の曲「ライツ・ダウン・ロウ」を鼻歌で歌っていたら、「もしこの曲歌えるなら一緒に歌わない?」と聞かれて、僕も好きな曲だったのでこのfeaturingが生まれました。

彼のパフォーマンスと、ソウルフルな歌声と、とても好きなアーティストの1人です。この曲、彼がこれから日本やアジアで自分とfeaturingしたことによってもっと知られていけば、友達としてとても嬉しいです。




MAX
「ライツ・ダウン・ロウ feat. TAKA from ONE OK ROCK」
試聴・購入リンク:
https://SonyMusicJapan.lnk.to/LightsDownLowMAXTAKA

MAX日本公式サイト:
https://www.sonymusic.co.jp/artist/max/

Translated by Kazumi Someya

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