[ALEXANDROS]川上洋平、アメリカ映画を語る

Rolling Stone Japan vol.04掲載|[ALEXANDROS]川上洋平(Photo by OGATA for Rolling Stone Japan)



川上にとっての恋愛と映画

ーハードコアなポップコーン狂ですね……。以前インタビューで「失恋してから、映画を狂ったように観るようになった」とおっしゃっていて、映画に関する淡い思い出などを伺いたいんですが。一番最初の映画デートの思い出を教えてください。

失恋以前から、けっこう観てはいたんですけどね。それが引き金になったのは間違いない(笑)。最初に好きな子と行ったのは……ジャン・レノとロバート・デ・ニーロが出てた『RONIN』(1998年)ですね。めちゃくちゃつまんなかった。寝ました。

ーデートなのに……。いい感じになった思い出とかは特にないですか?

あんまり成功した思い出ないなー(笑)。あの映画面白かった、とかのほうが記憶に残ってますね。面白いなって思ったときは、大抵、一緒に行った子のことが、本気じゃなかったケースが多い(笑)。

ー川上さんのベスト恋愛映画、聞きたいです。

「ベタだね」って言われそうだけど、『きみに読む物語』(2004)ですかね。ライアン・ゴズリングを大好きになったのも、あの映画がきっかけでした。大好きだった人がいたのに、戦争に行ったら違う人と結ばれていて……すごく切ない物語なのに、ゴズリングが感情を出しすぎずに演技してるところが、また最高なんですよ。

ーそれは一人で観に行ったんですか?

大学生の頃、好きだった女の子とデートしたときに観ました。でも、その子がクルマの中でタバコとか吸い始めて「え、禁煙なんですけど……」って俺がちょっと注意したら「は?」みたいな不穏な空気になって「あ、俺、タバコ吸う人無理」って思いました(笑)。

ーおっしゃる通り、全然うまくいってないですね(笑)。

映画は最高だったんですけどね。あと、ブラッド・ピットとケイト・ブランシェットが出てる時間が巻き戻る映画……『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008年)も、いい恋愛映画だと思う。『きみに読む物語』もそうだけど、いろいろあって幼馴染とくっつく話が好きなんですよ。主人公が「今までどんな男・女と付き合ってきたんだろう」とかモヤモヤしながらも、愛があるから最終的に結ばれるみたいなのってストーリーとして最高じゃないですか。

ーちょっと話戻るんですけど、高校生の頃、最愛の彼女と別れたときに一心不乱に観ていた映画で記憶に残っているものはありますか?

ポール・トーマス・アンダーソン監督の『マグノリア』(1999年)を観たのを覚えてます。主題歌がエイミー・マンの「セイブ・ミー」で、これも最高なんだけど、とにかく話の筋がいろんなところに飛ぶ映画で、高校生にとっては意味不明なところが良かった。「わかんないけど、なんかいい!」的な良さですよね。PTPは『ブギーナイツ』(1997年)も好きだったなぁ。とにかく映画を観まくって、その子のことを忘れたかったんだと思うんですよね。

ーポール・トーマス・アンダーソンや、クエンティン・タランティーノ、ケヴィン・スミス、リチャード・リンクレーターみたいな90年代後半~00年代にかけて活躍したいわゆる「VCR世代」と言われるような監督の作品は、やはりお好きですか?

好きですね。ちょうど、僕が高校生とか大学生の頃ってTSUTAYA全盛期だったんで、そういう監督の作品をすごくプロモーションしてたんですよ。だから、めちゃくちゃ借り倒してましたね。

ー上に挙げたような監督の作品の良さって川上さんにとってなんだったんでしょうか?

ストレートでエンターテインメントな作品を子ども時代から楽しんで観てきたんですけど、高校生とか大学生の頃は、簡単に言語化することができない何かを表現してくれるものに憧れてた時期だったんです。この鼻の奥がツンとなるような感覚をどう昇華したらいいんだろうって……だから、僕は曲を作ることで解消してたりしたんですけど。そういうものを映像として見せてくれる感じがあったんです。作品に込められた意味や意図をわかりやすく提示するのではなく、なんとなく伝えるような、そういう良さですよね。

ータランティーノ作品だと一番お好きなものはどれですか?

俺は圧倒的に『イングロリアス・バスターズ』(2009年)ですね。大爆笑しながら観ました。歴史物なのに、ヒトラーもゲッペルスも最後に死んじゃうんだもん(笑)。完全にふざけてますよね。『パルプ・フィクション』(1994年)も好きですけどね。いろんなカルチャーが入ってる映画が好きなので。

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